※下記は経営者通信14号(2011年8月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
―中小企業は大企業よりもIT投資の効率が悪いそうですね。
松村:そもそもコンピューターとは自動化の道具ですから、最初に人間が何らかの手順を覚えさせなければいけません。そのコストは大企業でも中小企業でも同じです。しかし、その後にコンピューターが行う仕事は大企業の方が圧倒的に多い。だから、中小企業の投資効率が悪くなりがちです。また、大手ITベンダーは中小企業のスピードや柔軟性に合わせた提案ができないため、非効率な結果になることが多いのです。
―中小企業がIT投資に失敗しない方法を教えてください。
松村:ポイントは3つあります。1つめは、すべての業務をIT化しないこと。一度、業務を自動化すると、そのルールを変える際にもコストがかかります。だから、人間が作業する“すき間”をあらかじめ作っておきましょう。2つめは、自社の競争力を支える業務に集中投資すること。たとえば、自社の強みが「営業の行動量」ならば、営業マンが日報に割く時間を削減し、移動効率を高めるITシステムを構築すべきです。その際、信頼できるIT担当者にシステム会社を選定してもらい、効率的な投資を行います。3つめは、汎用製品を活用すること。自社のコア業務以外は価格の低い市販の製品を使うべきです。ITベンダーの営業トークを鵜呑みにしてはいけません。
―IT担当者の役割が重要になりますね。
松村:はい。IT担当者は自社の業務と強みを熟知する必要があります。そして、「自社の競争力を支える分野」のシステム化に対する知識を身につけなければいけません。もちろん、社員に対するIT教育やシステム管理も担当します。さらに多くのIT製品の情報を収集し、複数のITベンダーと丁々発止の交渉をしながら、適切な提案要求を繰り返し、そしてトラブルを解決する能力も必要です。しかし、そんなスーパーマンはいません。すべてを1~2名の人数で行うのは無理です。多くの中小企業は1~2名の担当者に任せているので、IT投資がブラックボックス化し、非効率な部分をチェックできない。さらに、担当者が退社すると日常業務が混乱。社長も社員も詳しいことが分からず、ちょっとしたトラブルの解決にも時間がかかります。ですから、日頃から組織として対応する必要があるのです。
―しかし、IT分野に対して、中小企業が組織的に対応するのは難しくありませんか?
松村:手間のかかるIT関連業務は専門会社にアウトソースすればいいのです。そうすればスーパーマンは必要ないし、担当者が退社しても混乱が起きません。大切なのは、コア業務のノウハウを自社でおさえておくことで、システム化のノウハウを蓄積することではないはずです。実際、私たちはクライアント企業のIT部門として、リーズナブルな月額費用のみでITのトータルサポートをしています。メーカー系列に属さない独立資本の企業なので、特定メーカーの製品や無用なサービスを売り込むこともありません。
―どれくらいの範囲のIT業務をサポートするのですか?
松村:企業のIT部門として必要なことの全てです。クライアント企業の状況や方向性を理解し、適切なシステムの企画、ITベンダーとの交渉から、ハードやソフトの選定・調達、構築、開発、社員育成、操作支援、保守管理、障害対応まで、すべてワンストップで行います。IT関連のあらゆる業務に対応しますので、クライアントは安心して本業に打ち込めるわけです。さらに、サポート期間が長くなるほど業務効率化が進みます。たとえば、当社はクライアントの繁忙期や事業所展開なども把握しているので、社内の言葉で指示していただければ、負担の少ない時期に迅速な作業ができます。こういったサービスは大企業向けのノウハウを蓄積した結果、可能になったもの。これまで当社は7000台以上のパソコンに対して、オーダーメイドの総合ITサービスを提供してきました。これからも企業のIT基盤を支え、クライアントの成長をサポートしていきたいと思います。