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社長の再生こそ、真の企業再生

※下記は経営者通信4号(2009年12月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
 

―どうやって財務キャッシュフローを“抜本的”に改善するのですか?

田中:たとえば「※会社分割」を活用します。会社分割で黒字事業と赤字事業を切り離し、2つの事業が共倒れすることを回避するわけです。また、事業が1つしかない場合でも、資産、負債、人材、契約などを分離・移転することができます。そして、黒字事業を新会社に移転することで、経営を継続することが可能となります。この会社分割には、基本的に債権者の承認は必要ありません。その他にも、M&A(事業譲渡・事業承継)、借入金の返済条件変更や債務の圧縮など、手法は数多くあります。ですから、たとえ危機的状況に陥ったとしても、財務キャッシュフローは改善できる。企業再生はできるんです。実際、当社が手掛けた多くの企業がこれらのスキームによって企業再生に成功しています。

―なるほど。そもそも、なぜ田中社長は現在の事業を始めたのですか?

田中:過去の辛苦経験からです。私は数年前ある環境系ベンチャーに入社しました。オーナー経営者の情熱と人間性に惹かれたんです。しかし1年後、会社は新規事業に失敗。多額の債務を抱え、資金繰りに行き詰まりました。私は入社2年目にも関わらず、スポンサー企業を探し、民事再生手続きを申請。最終的に東証一部上場企業への事業譲渡を成功させ、プレパッケージ型民事再生を実現させたんです。しかし、この時に再生できたのは「事業」のみ。「人」、つまり経営者は再生できなかった。オーナー経営者は膨大な借金を抱え、病に倒れました。その後、再起することはできませんでした。真の意味で、私は経営者の力になれなかったわけです。この時に、中小・ベンチャー企業には財務戦略のプロが必要だと痛感しました。財務戦略のプロさえいれば、経営難に陥ったとしても会社を建て直せたかもしれない。そして、私はコンサルタントに転身することにしました。同じような悩みに苦しむ中小・ベンチャー経営者を救いたいと思ったんです。 ですから、当社の企業再生は会社や事業の存続だけが目的ではありません。あくまでも会社と同時に「経営者の再生」を目指しています。

―たとえ会社や事業が再生しても、経営者が再起できなければ意味がないと。

田中:はい。「企業再生」という言葉には、ネガティブなイメージがあるかもしれません。でも、本来は会社と経営者が前に進むためのポジティブな言葉なんです。企業再生は早期の決断とその手法が重要です。決断が早いほど、再生スキームの選択肢は多く残っている。経営者は決して一人で悩まず、ぜひプロに相談してほしいですね。

※会社分割:既存の会社を2つ以上の会社に分けること。事業に関する資産・負債・権利の全てまたは一部を、他の会社に承継させること。
 事業部門の法人化、不採算部門の分離などに活用されることが多い。

  
プロフィール田中 伸治(たなか しんじ)

1968年、神奈川県生まれ。大手自動車関連メーカーの本社経理部に勤務後、新興上場企業、ベンチャー企業数社において経理財務責任者、株式公開準備責任者、CFOを経験。環境系ベンチャーでは同社のプレパッケージ型民事再生手続きをCFOとして推進し、東証一部上場企業への事業譲渡を成功させる。その後、独立系コンサルティングファームに入社。上場企業・ベンチャー企業の資金調達支援、株式公開コンサルティング、M&Aコンサルティング、企業再生コンサルティングなどを担当。わずか入社2年半で常務取締役に就任し、財務戦略、株式公開、企業再生チームの各部門を統括する。2008年に同社を退職後、T&Tフィナンシャルグループ株式会社を設立し、代表取締役に就任。2010年4月には著書「会社再生ガール」を出版。

 

会社概要

◆設立/2009年6月
◆資本金/900万円
◆従業員数/50名(グループ全体、非常勤含む)
◆事業内容/資金繰り改善コンサルティング、資金調達コンサルティング、企業再生コンサルティング、CFO人材の供給・アウトソーシングサービス
◆グループ会社/ロングリーチコンサルティング株式会社、株式会社ロイズコンサルティング

お問い合わせ

TEL

03-6685-6943

URL http://www.lrcg.co.jp

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