※下記は経営者通信4号(2009年12月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
―現在、「100年に1度の不況」だと言われています。澤田さんは現在の不況をどう捉えていますか。
景気は振り子のようなものです。慣性が働き、バランスをとるように動く。2004年頃から好景気の方向に大きく振れた分、いま逆の方向に大きく振れているわけです。
そして、また振り子は逆の方向に振れる。ですから、今回の不況も近い将来に抜け出せるでしょう。
―澤田さんは1980年にH.I.S.(当時、インターナショナルツアーズ)を創業して以来、これまでに経営者として数々の不況を乗り越えてきたと思います。不況期における澤田流の経営論を聞かせてください。
まず、不況はチャンスだということ。競合他社が経費を削減して、守りに入りますから。逆にこちらは、いつもの1.5倍ぐらいの元気で攻めるべきです。不況期は不動産が安い。原材料費が安い。広告費が安い。昨年と同額の広告予算で、1.5倍ぐらいの広告出稿ができます。しかも、競合他社が広告出稿を減らしているので、インパクトも大きい。つまり目立つわけです。
特に私たちHS証券のような、業界トップを追いかける立場の企業は攻めた方がいい。いまHS証券はトップの野村證券と大きな差があります。しかし、このチャンスを活かせば、将来No.1になれる可能性もあります。もちろん、不況はピンチにもなり得ます。変化の激しい時期はチャンスでもあり、ピンチでもある。幸と不幸はあざなえる縄のごとし。表裏一体、うらはらの関係なんです。いまはドラスティックなチャンスとピンチが同時にやってきています。
【不況期でも将来への投資を怠るな】
―不況期の経営者は短期的な視点に陥りがちです。どうやって経営のバランスをとればよいのでしょうか。
不況期には、利益の6~7割を短期的な投資に配分する。そして、残りの3~4割を中長期的な投資に配分すべきです。好景気の時は、この配分を逆転させます。短期的な投資を3~4割に抑え、中長期的な投資を6~7割に増やす。好景気の時は放っておいても業績が伸びるわけですから、将来に投資する。こうやってバランスをとるわけです。