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株式会社 菊屋 代表取締役社長 宮﨑 浩彰

人を大切に目指すは100年企業

株式会社 菊屋 代表取締役社長 宮﨑 浩彰

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「日々の生活に楽しさと豊かさを」をモットーに和食器・洋食器・キッチン雑貨などを取り扱う株式会社菊屋。同社は創業60年を超える「老舗企業」でありながら積極的に新規出店を推し進めている。同社はもともと100年以上前から食器を販売していた「菊屋」の分家として創業した会社である。しかし本家の業態の変遷のため、同社が本業を継ぎ現在まで歴史を紡いできた。和食器という分野において関東トップクラスのシェアを誇る同社の過去と現在、そして未来、どのような想いをもっているのか、今回は同社の宮﨑社長にお話を伺った。

伝統の継承と、未来への挑戦を可能にする革新企業の本質
  • 社風
    全員が、活躍できるステージを
    「生き生きと働くことができる」を同社の社風として挙げる宮﨑社長。宮﨑社長は何よりも従業員を大切にし皆が働きやすい環境づくりを意識している。従業員が生き生きと働くことがお客様の満足度の向上に繋がり、それが良い店舗づくりに繋がると考えているからだ。例えば、同社は同一賃金・同一労働を早くから導入している。パートと正社員の違いは勤務日数だけである。仕事の内容にパートと正社員の違いはない。また、同じ時間働いたとしたら、パートと正社員の賃金も同じになるのだ。そのような制度を導入している同社では、そもそもパートと正社員という区分の概念はナンセンスとさえ感じる。従業員の働き方はその人の環境によって様々である。働きたいという意志がある人が活躍できるステージを提供するために、この同一賃金・同一労働を導入しているのだ。同社は従業員を第一に考える、社員が生き生きと働いている会社である。
  • 独自性
    人間味のある店舗
    同社の独自性を「人間味のある店舗づくり」と宮﨑社長は語った。お客様が本当に求めるものを提供するためにはお客様の顔を見て話し、想いをくみ取る「人間味溢れる店舗」であることが必要なのである。その独自性が表れている例として「POSシステムの未導入」が挙げられる。POSシステムとは店舗の商品情報を記録し、集計結果を在庫管理やマーケティング材料として用いるシステムである。同社は40店舗以上の出店を行っているが、POSシステムを導入している店舗は1店舗も存在しないのだ。「POSシステムでは全店舗の総合的な情報の集計はできても、店舗ごと変わるお客様の年齢層やニーズまで正確に把握することはできません。お客様に喜んでもらうためには、リアルな声を聞くことが大切なのです」と宮﨑社長は熱く語る。システマチックにならず人間味のある店舗づくりを行っているからこそ、同社は発展をし続けてきたのだ。
  • 展望
    和食器といえば菊屋
    「100年続く企業を目指している」と宮﨑社長は展望を語る。そして「そのためには菊屋のブランド化を進め、“和食器といえば菊屋”を世に広めていかないといけない」のだと。食器とは、食事をする以上は毎日使う無くてはならないものである。そのような身近なものにだからこそ、和食器を使用することで日本の「和」の精神を感じることができ、心を豊かにすることができるのだ。人々に豊かさを提供することができるかけがえのない和食器という分野でトップの会社になるため、菊屋のブランドを広めていきたいのだ。宮﨑社長は店舗数や上場といった目標のために会社を指揮しているのではない。「100年企業を目指すための菊屋ブランド化」という大きな展望のために、同社は積極的に新規出店を進めている。ブランド化を推し進め、「日本を代表する和食器ブランド」を成し遂げる同社の姿が目に浮かぶ。
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吉祥寺本店の外装
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商品の確認
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菊屋で取り扱う和食器

従業員の楽しさが、店舗をより良くしていく

―店舗を良くするために浸透させている姿勢を教えてください
店舗スタッフには「一店舗一店舗ごとの経営者」という姿勢を持ってもらっています。楽しいと思って働いてもらうことが大切だと考えているので、店舗のスタッフに、店舗づくりにおける大きな裁量権を与えています。例えば商品の7~8割程度は基本コンセプトの商品ですが、残りの2~3割程度の商品の仕入れは店舗に委ねています。また本部から商品の陳列の指示はほとんど出していません。店舗スタッフがその店舗を築いていくのです。他にも日差しの強い日には塩飴を配ったり、お茶を出したりということも任せています。お客様の憩いの場になるためのアイディアは積極的に実行してもらっています。このように店舗が大きな裁量権を持っているからこそ、店舗スタッフがやりがいを持って働くことができるのです。
―「菊屋ブランド」を広めるために重視している点を教えてください
「従業員の商品知識力と接客力の向上」に力を入れています。食器には様々な種類があります。さらに同じ種類のものでも手作りの食器であれば大きさや形、模様は少しずつ異なっています。そのため実際に手で持って、じっくり眺めてみてやっと好き嫌いがわかるものです。一つ一つの商品が様々な良さを持つものだからこそ、お客様のニーズに合った商品をピックアップすることができる従業員の商品知識力、そしてその商品を気持ちよく買っていただくことができる接客力は重要になってきます。商品知識力の向上のために毎月1回、各店舗の店長を本社に集めて行う講座や、時には窯元まで足を運んだ勉強会を行っています。また接客力の向上のために接客の研修にも力を入れています。その成果もあり今まで数多くの接客ロールプレイング大会で優勝をしてきました。お客様に喜んでもらうために、商品知識力と接客力はさらに磨いていきたいです。
―宮﨑社長が大切にしている「想い」を教えてください
「気軽に話せる社長」でありたいと考えています。私や本部の従業員ではわからない現場の感覚は多くあります。店舗に取り入れたいと思っているアイディアや改善した方が良いと感じている部分の報告等、店舗の声が他の人を通して私に伝わるのではなく、全店長がそのまま私に直に話せる環境づくりを意識しています。そのために全店長に私のメールアドレスを教えていて、すぐに連絡ができる状態になっています。また毎年1回は必ず行う「社長配送」という文化もあります。社長配送とは、各店舗への商品の配送の際に私がトラックを運転して配送に行くことです。実際に私が店舗へ商品を運びに行くことで気軽に話しかけやすい雰囲気をつくっています。従業員の声を取り入れていくことで、さらに良い店舗づくりを目指していきます。

KEYPERSON

株式会社 菊屋 代表取締役社長 宮﨑 浩彰

大好きな「菊屋の食器」でお客様を笑顔にする

株式会社 菊屋 アトレマルヒロ店店長 津山 綾子

「いらっしゃいませ!」と元気な声が店内に響く。この声の主は、アトレマルヒロ店の店長、津山さんだ。津山さんはお客様とのコミュニケーションを大切に、お客様にさらに喜んでもらえるよう日々店舗づくりに励んでいる。生き生きと働いている津山さん、実は一度休職をしている。以前菊屋で働いていたが、出産を機に子育てに専念するために10年以上休んでいたのだ。その後同社に復職をし、現在パートスタッフとして店長を務めている。好きな「菊屋の食器」をさらに広めていきたいと語る津山さん。津山さんが同社に対しどのような想いを持ち、どのように働いているのか、取材を通し明らかにしていく。

伝統の継承と挑戦の未来を担う社員の思い
  • 入社理由
    「菊屋ブランド」を広めたい
    同社への入社理由として「食器について学びたかったから」と語る津山さん。以前は食器が好きで陶芸家を目指していた。その際、食器についての知識をさらに増やしたいと思い、よく利用していた同社で働き始めたのだ。そこで商品のセレクト・仕入れ・接客・販売を行うにつれ、同社での仕事の楽しさを知っていった。そして次第に「陶芸家になりたい」という思いよりも「菊屋で働きたい」という思いの方が勝り始め、同社での仕事を本業にしたのだ。現在、好きな食器に囲まれながらアトレマルヒロ店の店長として店内をまとめ、スタッフ一丸となってより良い店づくりに励んでいる。「『和食器・洋食器を買うなら菊屋』と思ってくれる人を増やしていきたい」と志している津山さん。その想いのもとさらに菊屋の食器を世に広めていき、「菊屋ブランド」を普及していくのだ。
  • やりがい
    お客様に喜んでもらうために
    やりがいを感じた瞬間として、自分が行った提案でお客様に喜んでいただけたことを挙げた津山さん。お客様に喜んでもらうために、お客様一人ひとりとのコミュニケーションを心掛けている。常にお客様の環境やニーズが変化している中で、最適な提案をするためには新鮮な声を聞くことが大切なのだ。そして、コミュニケーションにより把握したお客様の要望に最適な商品が店内に無かった場合でも妥協はしない。その要望を叶えるべく、最適な商品を自分の足で探しに行き、仕入れ、そのお客様の次回来店時に提案しているのだ。そのように一人ひとりに寄り添った接客をしているからこそ、「私のイメージ通りの商品だわ!」と喜んでもらえた際には何にも代えられないやりがいを感じるのだ。これからもお客様の笑顔をつくり続け、さらに活躍する津山さんの姿が目に浮かぶ。
  • 夢
    菊屋の食器に囲まれて
    「将来、菊屋の食器を使ったカフェバーを開きたいです」と大きな夢を語った津山さん。もともとお酒やコーヒーが好きで、コーヒーに関してはインストラクターの資格を持っている。将来、好きなお酒やコーヒーと「菊屋の食器」を掛け合わせたカフェバーを開きたいということなのだ。そしてそのカフェバーで、ワークショップやメーカーとのコラボを行っていきたいと津山さんは目を輝かせながら語る。ワークショップやメーカーとのコラボ企画などを提供することができれば、お客様が「菊屋の食器」をより身近に感じることができ、その魅力を最大限に伝えることができるからだ。その夢を叶えるべく、まずは誰もが認める店舗実績をあげていくことが大切だと津山さんは語る。数年後、描くこれらの未来を実現するために、津山さんは日々前に進み続けているのだ。
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店舗の風景
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商品の倉庫で
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菊屋が取り扱う陶器

生き生きと働ける場所

―菊屋の好きなところを教えてください
菊屋の好きなところは「人を大切にする働きやすい環境」が整っている点です。実は私、以前7年ほど菊屋で働いていたのですが、出産を機に子育てに専念するため、10年以上休んでいました。その後子育てもひと段落付き、「もう一度菊屋で働きたい」と思い、その旨を伝えました。するとすぐに復職させてもらうことができ、家から近い店舗で働きたいという希望も叶えてもらえました。そして現在、パートスタッフとして働きながら店長を務めています。そのように従業員一人ひとりを大切にし、それぞれの働き方の希望に合ったステージを提供してくれるため、働きやすい環境が整っているのです。実際に従業員の96%が女性という高い割合を誇っています。結婚や出産後でも活躍することができる環境がある、これが菊屋の良いところです。
―菊屋の特徴を教えてください
特徴としては「店舗が多くの裁量権を持っている」ことが挙げられます。例えば、店舗の取り扱い商品の約7割ほどは菊屋の基本コンセプトのため仕入れが決まっていますが、残りの約3割の商品は店舗のスタッフが自分の目で見て、自分たちで仕入れする商品を決めることができます。また、商品の陳列場所・陳列方法も自分たちで決めることができます。本社からの陳列の指示はほとんどないのです。店舗ごとにお客様の層やニーズは異なります。だからこそお客様に喜んでもらうにはどうすればいいかを考え、商品を自分たちで選び、自分たちで並べることができるのです。裁量権を多く持っているからこそスタッフも生き生きと働くことができます。これからもお客様に喜んでもらえるようスタッフ一同励み、オンリーワンの「菊屋アトレマルヒロ店」を創り上げていきます。
―働く上で意識していることを教えてください
「商品をより魅力的にみせること」を意識しています。同じ商品でも、ディスプレイ次第でその魅力は大きく変わります。お客様に「このディスプレイを丸ごとください」と言ってもらえるように日々研究しているのです。例えば同じ種類の食器でも、色がグラデーションになるように並べて置くと美しい空間をつくり出すことができます。また冷酒器を単体で並べるだけでなく、竹籠に入れてはっぱの飾りを添えることで清涼な雰囲気を演出することができます。使うだけでなく、インテリアとして飾ることもできるようなディスプレイを意識しているのです。だからこそ他の店舗に行った際には、どのようなディスプレイをしているか注意深く観察しています。そして魅力的なディスプレイを見つけると、そのアイディアを持ち帰り自店にも積極的に取り入れます。商品をより魅力的にみせるため、日々アンテナを張って過ごしています。
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■監修企業からのコメント

株式会社 菊屋 代表取締役社長 宮﨑 浩彰

噴出し左
取材をさせていただきありがとうございました。現在の菊屋が築かれた背景には従業員が「日々の楽しさに楽しさと豊かさを」持つことにあり、それがお客様の喜びに繋がっているのだと実感しました。同一労働・同一賃金を早くから導入しており、POSシステムは使わず店舗に多くの裁量権を与えている。独自のやり方を貫いてきたからこそ和食器の分野で関東トップシェアを誇っているのだと感じます。今後さらなる発展を遂げていく菊屋から目が離せません!
■掲載企業コメント

株式会社 菊屋 代表取締役社長 宮﨑 浩彰

噴出し右
取材を終えた感想
今回の取材では、企業としての存在感、意識など改めて整理することができました。誠にありがとうございます。この記事から弊社のイメージを掴んで頂ければ幸いです。また、多くの方に弊社の存在を周知して頂けることを期待します。一人でも多くの方に「和食器といえば菊屋」と思っていただければ幸いでございます。
株式会社 菊屋
代表取締役社長 宮﨑 浩彰
昭和24年 『菊屋陶器店』として吉祥寺にて創業 代表 宮﨑弥市
昭和27年 『有限会社菊屋商店』として法人化
      資本金250万円 代表取締役 宮﨑弥市
      物流センター設立
昭和41年 府中店開店
昭和48年 吉祥寺本店改装(黒色を基本とした店舗)
昭和55年 宮﨑裕久 代表取締役に就任
      宮﨑 弥市 取締役会長に就任
昭和56年 商号を『吉祥寺菊屋』と改名
昭和58年 組織変更 株式会社菊屋 代表取締役 宮﨑裕久
昭和59年 創業35周年 事業として吉祥寺本店2Fを増床
昭和63年 業務マニュアル『仕事の手引書』が完成
平成元年 就業規則改正 賃金体系変更し職能給制を導入
平成 3 年 週休2日制導入
平成 8 年 府中店、新商業施設『フォーリス』2Fに移転
      業態をC'sBYKIKUYAに変更
      給与システム導入
平成 9 年 本社・物流センターを武蔵野市関前に移転
      物流商品システム化 顧客管理システム導入
平成10年 新賃金体系導入
平成11年 創業50周年 記念謝恩セールを全店で開催
平成14年 第1回私募債発行
平成15年 第2回私募債発行
平成20年 宮﨑浩彰 代表取締役社長に就任
      宮﨑裕久 取締役会長に就任
平成23年 本社・物流センターを東久留米市に移転
平成26年 本部・物流センター全照明LED化
平成28年 宮崎 直子 取締役営業部長に就任
      宮崎 裕久 取締役を退任し、会長に就任
創業年(設立年) 1949年
事業内容 ・陶磁器、硝子器、漆器を中心とする生活提案雑貨小売販売業
・化粧品、化粧小物、アクセサリー、布小物、袋物等の小売販売業
所在地 東京都東久留米市前沢 3-12-28
資本金 4,900万円
従業員数 286名(うち正社員22名)
男女比率 4:96
平均年齢 39歳
企業URL http://www.k-kikuya.co.jp/

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