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株式会社アライドコーポレーション 代表取締役 氏家 勇祐

日本でのタイ料理一般化
タイでの日本食の一般化を実現する

株式会社アライドコーポレーション 代表取締役 氏家 勇祐

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1990年、タイ料理ブームが巻き起こり、今や日本におけるエスニック料理の代表格となったタイ料理。今回取材に伺ったアライドコーポレーションは、タイ料理食品を1987年から輸入し、タイ料理の輸入においてトップシェアを誇る企業だ。同社はタイに現地法人を構え、100社以上の現地法人と関係を築くことで、タイの料理の本格調味料からインスタント食品、冷凍食品に至るまで幅広い商品を用意。細かいカスタマイズや、PB商品の開発を実現している。さらに昨年より輸入業のネットワークを生かしてを日本の野菜をタイへと輸出する事業を開始し、今後は魚介類の輸出も目論む。今回の取材では、今まさに輸出事業の立ち上げに尽力されている氏家社長にお話を伺うことができた。

伝統の継承と、未来への挑戦を可能にする革新企業の本質
  • 社風
    競合を置き去りにする圧倒的スピード感
    「イメージしたことを具現化するスピードの速さがあれば、勝てる」と氏家社長が言うように、スピード感こそがアライドコーポレーションの最大の特徴だ。商品開発・販路開拓・供給網の構築など、何においてもスピード感を重視するのは、何事も先んじて手を打つことで競合となる大手企業を上回るためだ。 輸入に関しては、他社に先駆けていち早くタイの現地法人を立ち上げ、タイのメーカーと直接取引ができるようにしたり、輸出事業を始める時も2015年に日本郵船グループが品質を落とさずに船便で輸出できるコンテナを開発したというのを聞きつけ、すぐに船便での輸出を決めた。そうした戦略は社風まで落とし込まれ、社員の仕事ぶりは、氏家社長曰く「エスプレッソのように」濃密だ。 そうした他社に先んじるスピードが、成長に直結。10年前に約10億円だった売上は、2015年には38億円まで拡大。右肩上がりの成長を実現する原動力となっているのだ。
  • 独自性
    一気通貫の物流網でタイへの輸出入の国内窓口に
    食品輸入を通じて構築した日本とタイでのネットワークを生かし、タイとの輸出入における第一人者となっている同社。タイの現地法人を生かした幅広い仕入れ、そして輸入。さらに、輸出時は海外への輸送からタイ現地での販売まで、食品の輸出入に関する業務を一貫して対応できるのが、同社の強みだ。 輸入に関しては、通常の規格と異なる数量、サイズでの製造や、テストマーケティング用の小ロット生産にも対応できるのは、現地メーカーとの関係性があるからこそだ。 輸入ネットワークを生かして、同社が輸出を開始したのは2015年。タイで売られている日本の食材の価格を見たときに「もっと安価な流通経路を作れる」と思い立ったのが始まりだ。手始めにタイでの消費量が多いフルーツの輸出から着手し、他社の半額以下で販売を始めたのが大成功した。今年度はJAや卸売業者からの依頼を受けて、輸出品目数と量を大幅に拡大。タイ法人が運営する「バンコク新選組」という店舗で日本の青果物の販売を一手に担っている。
  • 展望
    タイへの農産品の販売を通じて農家の後継者をまとめ上げる
    氏家社長の野望は、日本の農業・漁業の若い世代に誇りを持たせること。タイへの食品の輸出を通じて、日本の一次産業を活性化させ、農業漁業に携わる若い世代に食材への誇り仕事への誇りを生み出したいと氏家社長は考えている。 食の根幹を担う農業、漁業は、人々の生活に直結する仕事であるにもかかわらず、就業人口は縮小し、後継ぎ不足や、低収入化が問題になって久しい。氏家社長は、海外輸出を通じて、後継者となる若者に誇りを醸成することで、一次産業を取り巻く課題の打破を目論んでいる。 一次産業復興のカギとなる、農産物、海産物の輸出は、農家だけでなく日本という国全体にとっても大きな関心事だ。その証拠に、同社が月に何十トンという輸出の実績を積み上げる中で、地方自治体や経済産業省から、農産品の輸出に協力してくれないかと声がかかっている。今後は、JAや自治体、卸と連携しながら、国策としての農産品の輸出を拡大し、農業だけでなく漁業も含めた一次産業の活性化、若い世代の仕事への誇りを生み出していく。
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青果物の海外輸送はCAコンテナで
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約60の現地店で日本産青果物を販売
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石焼き芋専門店OIMOも展開

常にスピードを追求する氏家社長の頭の中

―20代の時はどのような仕事をしていたのですか
20歳くらいの時にアメリカに行って、それからタイに行った時に「これはいけるかもしれない」と思い、タイとのビジネスに関心を持ちました。タイは、料理がおいしくて、モノが安いですからね。これは儲かるだろうと。
それでタイで語学を勉強して、学校を卒業してから当社に入社しました。当時は売上1億、従業員は5人くらいでした。入社後は、90年代後半のエスニックブームが起きたのに合わせて営業をやりました。百貨店がアジアやタイに関するイベントを催していたので、日本中を飛び回りながら営業と催事をやりました。その後29の時に体を壊した父に代わって社長に就任するという20代でした。とにかくあっという間でしたが、とことんやってやろうと考えていましたね。
―輸出事業の立ち上げはどのように取り組んだのですか
タイには2500店の日本料理屋があり、マーケットがあるのはわかっていました。そこに、日本郵船グループがCAコンテナを開発し、輸出コストも抑えられるという条件が整って、輸出事業に本格的に取り組むことを決めました。立ち上げにあたって、この1年間は自分自身の他の仕事を止めています。この1年間で何としても輸出事業を形にするために、ほかの仕事をなげうってでも取り組む必要があると考えたのです。幸いにも社内のことは副社長に任せることができているので、私は輸出事業に専念し、おいしいものを継続的に販売できる体制を作るために、販売先のタイと、国内の生産者やJAと話し合いながら双方がwinwinになる仕組みづくりをしています。
―若い世代に向けてのメッセージをお願いします
日本という国がどれくらい素晴らしい国かを知ったうえで仕事をしてほしいです。こんな安全な幸せな国で週休2日もらえる、頑張れば報われるという環境があるのに、努力しないし、「ある程度でいいや」という風潮がある。もっと日本人は志を持って頑張るべきだと思っています。ほかの国に行ったらもっと不便です。例えばタイは特権主義の国だから公務員は偉くて、ヒエラルキーががちがち、搾取する側かされる側かの線引きがが日本よりもはっきりしています。
それに比べて日本の環境は非常に良い。自由があるし、身分もがちがちではない。「収入が期待できないから頑張らなくなった」と言う人もいるが、うちは社員には青天井とは言わないけど、「いっぱいもらってくれ」っていつも言っています。

KEYPERSON

株式会社アライドコーポレーション 代表取締役 氏家 勇祐

アライドコーポレーションにおける販売促進の極意

株式会社アライドコーポレーション 販売促進部 志田 佳那子 櫻中 智之

アライドコーポレーションの販売促進部の仕事は単なる販売促進だけにとどまらない。もちろん、SNSやフリーペーパーを使っての販売促進も行うが、営業サポートとして、商品を売り込む販促資料の作成や、マーケットのデータの収集、大型の展示会の設営、イベントの企画など、手段を講じタイ料理というジャンルの一般化を促進している。 常に、氏家社長の一番近くで事業の構想や、商品開発に関するアイデアを聞いたり、社長とともにたびたびタイに出向き、現地法人や、スーパーマーケットにも足を運ぶなど、氏家社長の右腕左腕として活躍する部署だ。今回の取材では、そんな販売促進部のお二人から、商品開発にかける思いや、氏家社長の人柄についてお話を伺った。

伝統の継承と挑戦の未来を担う社員の思い
  • 入社理由
    タイにこだわる姿勢に共感
    志田さんは、同社に入る前も食品関係業界でのキャリア積んでいたという。新卒で入った会社は水産メーカーで営業企画の仕事に従事。2社目は食品メーカーで開発を担当し、食品業界の知見を積み重ねていた。 転職において重視したのは食品の中でも専門性を持っている会社であること。その中で出会ったのがタイとの取引に特化したアライドコーポレーションだった。世の中に食品商社は数多くあるが、タイという一国の料理にこだわりを持ち、タイ料理がブームになる前から、タイ食品の伝播に取り組んできた同社は、業界でも類まれな存在だ。日本においてタイ料理が知名度を向上させ、一般的な人気を得ることになった背景には、同社が存在があったに違いない。志田さんも、氏家社長との面談を通じて、タイ食品の輸入シェアナンバーワンの同社に飛び込んで、より世の中に発信していきたいという気持ちを抱いたという。今も販売促進部のキーマンとしてアライドコーポレーションの魅力を世に送り出している。
  • やりがい
    試行錯誤を経て世の中に受け入れられる商品を送り出すこと
    「おいしい商品ができると、うれしくて自分達でも買っています」と話すお二人。氏家社長のアイデアを形にしていく、商品開発の一端を担う仕事のやりがいをお二人はこのように答えてくれた。 数々の商品を生み出すプロセスの中で、「いける」と思ったアイデアでも、加工の難しさから販売に至らなかった商品もあるという。しかし、ゼロから商品を生み出す過程は新しいことばかりでとても刺激的だと志田さんは言う。 例えば、焼き芋のタイでの販売。タイに向けての焼き芋の開発・販売は同社にとって初めての挑戦だった。他社の製造工程や販売ルートを調べたり、売れ筋商品を調べたり。スピード感をもって新しい商品を生み出している。初めてのチャレンジだからこそ、多くのことを得たという。売り出した商品はSNSでの評判もチェックするお二人。手塩にかけて生み出した商品だからこそ、良い評判が書かれている時の喜びも大きいという。
  • 夢
    「タイ料理の一般化」を本気で実現したい
    会社の目標であるタイで日本料理を一般化すること、そして、日本でタイ料理を一般化することに向けて、アライドコーポレーションの取り組みが世の中に広がっていく手伝いをしたいと言う櫻中さん。そう考えるようになったのも氏家社長の影響が大きいという。櫻中さん曰く、氏家社長は、仕事に対して膨大な熱意とパワーを持っている人物。2015年の12月にタイへの食材輸出を本格的に始めてからは、プライベートを二の次にしても、軌道に乗せるために、タイと日本を休みなく往復するバイタリティを持ち、日々、2人のもとに「こうしたい」「こういうのはどうだろう」という新しいメールが入ってくるなど、インスピレーションに優れた人だという。いつか氏家社長について、メディアで社長の特集が組まれたら面白いと語る櫻中さん。社長、そして会社の取り組みが、世の中に見えるようになり、「タイでの日本料理の一般化」が実現されることを願っている。
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メイン事業はタイ食品の輸入販売
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新ブランド「四川料理しびれ王」の1商品
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自社発行の情報誌。商品に封入してPR

アライドコーポレーションにおける販売促進の極意

―思い入れのある商品はなんですか
商品開発に関してはいろいろ思い出はありますが、特に思い入れがあるのは、四川料理のシリーズですね。四川料理の特徴である、花椒や唐辛子などによる舌がしびれるような辛さ=麻辣(マーラー)味を追求しているので、社長よりアイデアをいただいてキャラクターも、ほかのピーナッツ商品との差別化を狙って、いかついキャラクターを作り、インパクトのあるパッケージを作りました。パッケージに使う写真撮影の時も、食べ物の表情にかなりこだわって、納得いくまで何度も撮り直したのちに完成した商品です。ツイッターで反響を見ると、ジャケ買いしてくれている方もいらっしゃるので、こだわった甲斐があったなと思っています。
―日本とタイの販促における違いはなんですか
タイと日本の文化の違いが販促の違いにつながります。 タイへの野菜輸出に関しては、小売店やレストランに送っているのですが、特に居酒屋のようなところでは、飲酒文化の違いがあります。日本では、乾杯しながら、おつまみをつまむという文化ですが、タイはまず食べて、そのあとに飲むという文化で、おつまみよりは、ちゃんとした料理が求められます。小売りの領域では、販促物の作り方に特徴があります。
販促物を作るときは直感で分かるものが良いようです。一方で、購入の際には、日本人以上に産地を重視する方もいるので、産地の違いでどう違うのか、どこのJAなのかといった細かい情報を求められます。POPにも生産地の情報を載せてほしいという依頼が来ています。
―販売促進部として重視している考え方はなんですか
会社としてのテーマは毎年毎年あるのですが、特に氏家から言われているのは「臨機応変に」ということですね。 例えば、細かいことにはなりますが、広報のためにSNSを積極的に活用している中で、Facebookで言えば、「いいね」の数を一つの指標としておいて、「いいね」を増やす取り組みをしています。動画の方がリーチ数が多いから動画コンテンツを増やそうとか、この記事は閲覧数に比べていいね数が多いとか、記事ごとの反応を一つ一つ確認しながら臨機応変な打ち手を考えています。氏家が理論よりも感覚を重視するタイプということもありますが、型にはまった考えではなく自由な発想で日々仕事に取り組んでいます。
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■監修企業からのコメント

株式会社アライドコーポレーション 代表取締役 氏家 勇祐

噴出し左
アライドコーポレーション様は、タイ食品の輸入において日本を代表する企業様です。コンビニや、外食チェーン、小売店などで、誰もが同社の製品を目にしていると言っても過言でないほど、日本でのタイ料理の普及に大きな影響力をお持ちです。今回の取材では、氏家社長から、これまでの輸入ビジネスのパイプを生かした、日本野菜の輸出ビジネスの展望についても語っていただき、同社の目指す目標の大きさに驚きました。
■掲載企業コメント

株式会社アライドコーポレーション 代表取締役 氏家 勇祐

噴出し右
取材を終えた感想
今回の取材では、私が会社を引き継ぐに至った経緯の部分から、これから特に力を入れていきたいと思っている青果の輸出事業についての話まで幅広くお話しさせていただきました。記事を通じて、多くの人たちに私たちの考えを知っていただくことができると嬉しいです。
株式会社アライドコーポレーション
代表取締役 氏家 勇祐
1976年 (株)アライド シッピング コーポレーションの名称で
     大久保 満雄を 代表として、船舶代理店業を創業
1987年 タイ食品の輸入販売を開始
1990年 氏家 勲 代表取締役に就任
1993年 本社を横浜市中区扇町に移転
1999年 配送センターを(株)住友倉庫内に移転
2001年 本社を横浜市中区長者町に移転
2004年 氏家 勇祐 代表取締役に就任
2005年 配送センターを神奈川県海老名市に移転
2011年 初のレストラン『One Dish Thai』を恵比寿にオープン
2011年 本社を横浜市都筑区に移転
2011年 『One Dish Thai』渋谷宮益坂店をオープン
2014年 本社を横浜市青葉区に移転
2015年 CAコンテナを利用した日本とタイ野菜の輸出入販売を開始
創業年(設立年) 1976年
事業内容 タイ食品を中心とした輸入販売(調味料、スパイス、ココナッツミルク、各種インスタント食品、フルーツ缶詰、その他)
冷凍食品、青果物の輸出入および加工販売 日本産生鮮物の輸出
所在地 神奈川県横浜市青葉区あざみ野1-4-3 三橋ビル5階
資本金 1,000万円
従業員数 30名
企業URL http://allied-thai.co.jp/
採用情報はこちら
http://allied-thai.co.jp/recruit-2/

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