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株式会社吉村 代表取締役社長 橋本久美子

お茶屋さんが繁盛するためにできるすべてのことを

株式会社吉村 代表取締役社長 橋本久美子

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1932年、品川で祝儀用品の加工販売業としてスタートした株式会社吉村。その半世紀を超える歴史においては、日本茶を主とする食品包装資材の企画製造販売を一貫して行うメーカーとして、茶袋づくりの歴史を牽引。現在では三代目の橋本久美子社長のもと、パッケージのデザインにとどまらず、VMD(お客様が売場に興味・関心を抱き、売場を回って、商品を選んで、理解して、買うシーンを想定した売場づくりの手法)、日本茶の販売にまつわる幅広いサポートを通じて、日本の伝統食品の「消費のパイを広げる」お手伝いをしている。今回の取材では、父である先代社長から指名され、社内変革の中心人物として、数々の挑戦を行ってきた橋本久美子社長に、挑戦の歴史と日本茶にかける想いを伺った。

伝統の継承と、未来への挑戦を可能にする革新企業の本質
  • 社風
    全社員でお客様に貢献する
    現場からの声を集め、お客様に貢献していくことが吉村の文化だ。顧客満足を常に追い求めている同社では、お客様と常日頃接している現場社員しか把握できないお客様のニーズや、製品を作っている現場社員の細やかな気づきを、顧客満足を高める上での重要な情報として位置づけている。例えば、声を結集するための同社の取り組みとして「ノーベル起案」「カンファリスト式会議術」がある。「ノーベル起案」では現場社員の個々人がお客様のために自分の現場の気づきを発信することを奨励している。そして、更なる取り組みとして設けたのが、「カンファリスト式会議術」。これにより会議で全員が発言できる会議形態を整えた。このようにして、現場社員の意見を吸い上げ、形にしているのだ。一人ひとりの気づきを全員の知恵にして、お客様に還元する風土がある吉村。吉村の顧客満足度の高さは、現場社員一人ひとりの気づきに支えられているのだ。
  • 独自性
    お茶屋さんと共に成長・発展していく
    「お客さんであるお茶屋さんのことを考えて、お茶屋さんがもっと繁盛するために行動するということですね」と吉村に語り継がれるDNAを話す橋本社長。創業時はお茶を入れる紙袋から始まったが、「お茶屋さんが繁盛するために」という想いがあったからこそ、お茶の茶袋はもちろんのこと、店舗で使うのぼりやPOPなどの販促用品や贈答箱、包装紙、手提げバッグなどのギフト用品を提案するようになった。そこに吉村の強みがある。現状維持でなく、お茶屋さんと共に成長・発展していくのだ。また、10年前に先代社長である父から社長を引き継ぎ、先代の際には主流だった大ロットの生産だけでは、お客様のニーズに応えられないという想いから、小ロットに力を入れるなど、様々な事業展開を成し遂げてきた。それは、いつの時代においても「お客様を想う」という吉村のDNAを引き継いできたからこそである。これは何年、何10年先であっても変わらずに引き継がれていくだろう。お茶屋さんを想い、お茶屋さんと共に成長・発展していく。これが株式会社吉村である。
  • 展望
    お茶のカテゴリーを超え、「和食」のプラットフォームになる
    お茶屋さんのビジネスパートナーとして、お茶屋さんをサポートしてきた吉村。その同社が目指すのは、これまで培ってきた日本茶業界での知恵を生かし、日本茶のみならず、乾物や米など自社では扱っていないものを組み合わせて市場を作っていくこと。つまり「和食」全体のプラットフォームになることだ。意匠性の高いパッケージ作成や、細かい配慮を生かした販促施策の提案を通じて、「日本茶」という商品の付加価値を向上させてきた同社。それが、日本茶そのものを売るサポートをするだけなく、日本茶を飲んだ際のホッとする豊かさや幸せを提案することへと繋がっていった。今、和食を取り巻く環境を見ると、商品の付加価値向上が必要なのは日本茶だけでなく、乾物やお米をはじめ「和食業界」全体として必要とされている。そのような状況において、「和食」をゆっくり楽しむ時間や、「和食」を通じて生み出される豊かな空間といった、物ではない価値を提供するための基盤となることである。
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吉村の想いが詰まったロゴマーク
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10ヵ国の日本茶淹れ方サイト
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デジタル印刷世界コンテストでの連覇獲得

想いを包み、未来を創造する

―社長になって一番印象に残っている事はなんですか
一番印象に残っているのは小ロットでのデジタル印刷です。大ロットでの印刷から小ロットへと舵を切ったのは、競合関係にあった会社が一部上場企業の子会社となったのを契機に、豊富な資金力を生かして矢継ぎ早に新商品を安価で投入し、業界内で存在感を高めていったんです。同じ土俵で勝負をしても、苦しい状態にありました。そんな中、状況を好転させる策が小ロットへの対応だと思ったんです。軟包装分野でのデジタル印刷は世界的にもまだ成功事例のない未踏の分野でした。しかし、試行錯誤の末、商品を世に出せたのは社員のあきらめない気持ちとチーム力のおかげと心から感謝しています。そして、小ロットの展開は大当りでした。当社で実現した小ロットでのデジタル印刷は、商品を差別化したい全国のお茶屋さんのニーズを掴むことが出来ました。
―お茶屋さんが「繁盛する」ためにどのような取り組みをおこなっていますか
お茶屋さんのイメージに合わせてパッケージを作成し、提供することはもちろんですが、パッケージ単品ではなく、店頭のデザインやユニフォーム、POPなどの販促手法、包装紙やしおり、フィルターインボトルなど新しい茶器に至るまで、お茶屋さんのパートナーとして総合的にサポートを行っています。そのほかに、リーフ(茶葉)の市場拡大に向けた取り組みも行っています。例えば、店頭でマイボトルに緑茶を淹れてもらえる「給茶スポット」や紙コップでお茶をテイクアウトできる「お茶Bar」を設け、若い人たちにも緑茶リーフで淹れたお茶のおいしさや、お茶がある時間の楽しさ・安らぎを知ってもらう取り組みを行っております。
―若者に向けたメッセージをお願いします
100点を取るよりも、0から1。テストのように100点を目指す知識ではなく、知恵を出して0から1を作り出すことに目を向けてもらいたいですね。100点を取ろうとすると、失敗を恐れて一歩も動けなくなってしまうと思います。そうではなく試行錯誤をしてもらいたいのです。私たちも、理系出身が誰もいなかった中で、小ロットのフィルム印刷を始めました。その時はどこからも「無理だ」と言われれましたね。ですが現場の社員たちが、本当にいろんな知恵を出して、何とかやり切りました。「マニュアルがないからできない」とか、そういうことを言う人もいるかもしれませんが、若い人たちには、マニュアルがないところ、手本がないところから、どうにか自分たちで知恵を出してやり遂げることを大切にしてもらいたいです。

KEYPERSON

株式会社吉村 代表取締役社長 橋本久美子

株式会社吉村 本社営業部 堀本健太

今回お話を伺ったのは、吉村に新卒で入社し、入社以来6年間営業マンとして各地のお茶屋さんを飛び回る堀本さん。普段の仕事内容は、お得意先のお茶屋さんに訪問してコミュニケーションを図り、お茶屋さんからの「こういうパッケージを作りたい」という要望をもとに、値段や形状、サイズをすり合わせ、理想のパッケージを形にすることだ。今回の取材では、橋本社長が「日本一の営業力」と語る、全国のお茶屋さんとの強固なネットワークの一端を担う堀本さんに、営業マンとしての心意気と目標について、そして、数々の現場からの底上げによる変革を実現してきた、現場の空気感について伺った。

伝統の継承と挑戦の未来を担う社員の思い
  • 入社理由
    社員皆さんの明るい雰囲気に惹かれて
    就職活動をしていた当時は、幅広く様々な業界を見ていたという堀本さん。説明会や選考を通じて、数多くの企業と接点を持つ中で、吉村への入社の決め手となったのは、同社の明るい雰囲気であった。
    同社では、採用を決める際に求職者に工場や営業所を見学してもらう選考プロセスで行っている。同社の特徴である風通しの良さや、社員間の距離の近さを感じてもらうためだ。
    堀本さんも選考を通じて、実際に営業所を見学。会社に入った時の社員の皆さんからの挨拶や、営業所の親しみやすい雰囲気に、自分が長年働いているかのような感触を抱いたという。
    そして、営業志望だった堀本さんを惹きつけたのは、同社の仕事内容。豊富な商品ラインナップから、お客様に合わせて商品を提供できる、さらに、自社にデザイン部隊を擁し、意匠性の高いオリジナルのパッケージを作り上げられる、オーダーメイドの仕事ができることが他社にはない、吉村の仕事の面白さだ。
  • やりがい
    お客様と共に、店頭に並ぶ商品を一から作り上げること
    「自分が携わったパッケージが店頭に並んでいる時はやはり嬉しいですね」と堀本さんは言う。創業以来、お茶屋さんと共に日本茶の文化を広めてきた吉村にとって、日本茶のパッケージ製造は現在でも基幹となる事業であり、営業マンにとっても大きなやりがいを感じられる仕事だという。パッケージは通常、半年から一年をかけて作り上げるものであり、何度もお客様とやり取りをしながら、消費者が買いたくなるデザインを追求していく。営業マンはお客様の意向をくみ取りつつ、パッケージのプロとして意見をしお客様と二人三脚で一つの作品をつくっていくのだ。特にやりがいが大きいのは、お客様に積極的に提案してつくり上げるパッケージ。お客様に言われたものをそのまま作るよりも、「自ら働きかけて、本気でお客様と関わり合うからこそ、良いものができるし達成感も大きい」と堀本さんは言う。携わった商品が売れ、お客様から喜ばれ、感謝されることを目指して、堀本さんはより良いパッケージを追求し続ける。
  • 夢
    身の回りのパッケージを自社のパッケージに!
    「自分の身の回りの様々なパッケージが自社のパッケージになるのが理想」と堀本さんは語気を強める。それは自身の営業マンとしての力を更に伸ばすためである。競合他社がひしめくパッケージの業界で、自社の顧客になっていただくことは決して簡単ではない。だからこそ、自身の営業マンとしての力を証明することになるのだという。
    堀本さんいわく、それを可能にするための武器が吉村に揃っているという。競合他社が低価格を武器に勝負する中で、吉村の強みは小ロットからオリジナルの提案ができること。その強みをお茶屋さんに理解してもらうめには、パッケージの変更が店頭での購買力の向上につながることを分かってもらわなければならない。パッケージ=コストという潮流が残る環境の中では一朝一夕でできることではないが、自らが信用を得て、価値を伝え「堀本に頼みたい」と言われるような営業マンになるために、堀本さんは日々研鑽を積んでいる。
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茶袋の当時と今
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皆のアイディアが形になる
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全社員集まっての経営計画発表会

若手営業マンが語る、変革を実現する現場の熱量

―橋本社長の印象を教えてください
初めてお会いさせていただいた際には、明るくてパワフルという印象でした。その印象は入社して6年が経った今でも変わらないですが、社員一人ひとりのことを気にかけてくださる方という印象を強く感じるようになりました。例えるならば、社員のお母さんのような人であると感じます。普通の会社ならば、社長ということで距離を感じてしまうと思いますが、橋本社長は話しかけやすいですし、私だけでなく他の社員とも距離が近く、社長自ら話しかけてくださります。社長が一人ひとりに目を配って気を配って「最近どう?」と話しかけていただけたり、社員向けのアンケートを実施されて社員の意見を積極的に吸い上てくださることが、当社の風通しの良さの源泉になっていると思います。
―入社してから、これぞ吉村と感じたエピソードを教えてください
経営計画発表会という、その期の目標の共有や前期の実績を全社員向けに発信をする会が1年に一度あります。静岡の工場で働くスタッフも含めて、全社員が参加する大きなイベントとなります。その際に、入社4年目の時に同期全員で企画から司会進行までを担当させてもらったことですね。経験の浅い自分たちに大役を任せてくださったことも、現場を重視する当社の社風が現れていると思いますし、同期全員で顔を突き合わせて、「ああでもない、こうでもない」と議論を重ね、経営計画発表会を成功させるために知恵を出し合うということが、とても吉村らしいと感じました。会の準備はとても大変でしたが、この経験を通じて同期と一つになることができました。
―営業マンとして日々意識していることを教えてください
お客様の要望に迅速に対応することと、お客様の話を聴くことです。お客様が当社を選んでくださっているのは、私たち営業が他の会社よりも密にお客様と関わって、お客様の期待を上回る価値を提供しているからだと考えております。社歴が長く、経験豊富な先輩たちと比べて、自分ができることは限られているのが現状です。ですが、営業マンとして信頼されるためには、経験がないことを言い訳にするわけにはいきません。お客様に価値を提供するために自分ができることは、お客様の要望に迅速に応えること、そして真剣にお客様の話を聴くことなので、その2点を日々意識して仕事に臨んでいます。
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■監修企業からのコメント

株式会社吉村 代表取締役社長 橋本久美子

噴出し左
お茶屋さんと共に成長・発展してきた株式会社吉村様。橋本社長と営業部の堀本様にお伺いする中で、「お客様が繁盛するために」という言葉は、「想いを包み、未来を創造するパートナーを目指します」という企業理念があるからこそ、発せられる言葉であると感じました。今後はお茶屋業界の発展はさることながら、関わる業界にも手を伸ばしていくそうです。今後の株式会社吉村様にも注目しております。
■掲載企業コメント

株式会社吉村 代表取締役社長 橋本久美子

噴出し右
取材を終えた感想
今回の取材では、社風、独自性、展望といった切り口でまとめて頂き、企業としての存在感、意識など改めて整理することが出来ました。ありがとうございます。このサイトから弊社のイメージを掴んで頂ければ幸いです。また、多くの方に弊社の存在を周知して頂けることを期待します。そして、日本茶の魅力が伝われば幸いです。
株式会社吉村
代表取締役社長 橋本久美子
1932年 祝儀用品の加工販売業として、品川の地に
      「吉村英一商店」を創業
1948年 紙製品包装資材・製袋分野に進出
1954年 業務内容の拡大に伴い、有限会社組織とする
1967年 組織変更により「吉村紙業株式会社」となる
1973年 吉村正雄が二代目社長に就任
1979年 超高速グラビア7色印刷機・全自動製袋機を導入
1980年 情報誌「茶事記」を発刊
1984年 資本金9,100万円に増資 事業所間をコンピュータで
      オンライン化し、生産管理システムを確立
1989年 企画デザインの多様化に対応して、
      グラフィック・コンピュータを導入
1991年 社内報「なかま」創刊
1996年 新コンピュータシステムの導入
1998年 発祥の地、品川区豊町に「豊町ビル」竣工
2005年 橋本久美子社長が3代目社長に就任
2008年 版レス印刷機「エスプリ」導入
2011年 定年後再雇用の受け皿として「株式会社正雄舎」
      を設立
2013年 「株式会社吉村」へ社名変更
2014年 デジタル印刷の世界コンテスト ディースクープで、
      軟包装パッケージでウィナーを受賞
2015年 グルメ&ダイニングショーに出展
      江戸越屋「粋町しょこら」が、フード部門大賞受賞
創業年(設立年) 1932年(1954年)
事業内容 日本茶を主とする食品包装資材の企画、製造、販売。
(グラビア印刷・軟包装デジタル印刷・ラミネート加工・スリット加工・製袋加工・刷込後加工)
所在地 〒142-0041東京都品川区戸越4-7-15
資本金 9100万円
従業員数 200名
男女比率 男127名、女71名
平均年齢 41.04歳
企業URL https://www.yoshimura-pack.co.jp/
採用情報リンク https://www.yoshimura-pack.co.jp/kaisya/recruit/recruit_01.html

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