DENTOU TIMES

株式会社島田電機製作所 代表取締役社長 島田正孝

伝統の70年から進化の未来へ

株式会社島田電機製作所 代表取締役社長 島田 正孝

エレベーターに乗る前に触れるボタン。そしてエレベーターの到着を告げるランタン。実は、今回取材をした島田電機製作所はこうしたエレベーター表示器の専門メーカーとして、半世紀以上の歴史を培ってきた、由緒正しき老舗企業である。そんな同社の強みは、お客様のどんな細かな要望にも応えられる圧倒的な技術力と、デザイン・設計・製造まで一貫して社内で行える生産体制が生み出す、オーダーメイド型の生産にある。その同社は、更なる飛躍の時を迎える。業務領域は国内に限らない。エレベーターの需要が高まっている中国に2008年に子会社を設立し、海外にも展開していくなど、その勢いは留まることを知らない。正に伝統と挑戦の企業である同社の現在、過去、そして未来の展望について島田社長にお話を伺った。

伝統の継承と、未来への挑戦を可能にする革新企業の本質
  • 社風
    ひたすらに、誠実に
    島田電機製作所の社風を伺うと、島田社長は真剣な面持ちでこう語る。「お客様の要求にどう応えるか、それがウチの使命です。お客様に対して、ひたすらに応えていく誠実さ、真面目さこそ、私達が自信を持って胸を張れることです」
    通常の製作会社であれば、お客様から頂く細かな多種多様の要望に対して、既成品の範囲でしか対応できないことも多い。だが同社では、例えお客様から頂いた要望が困難なものであっても、「任せて下さい」という姿勢で、積極的にチャレンジする。その同社の姿勢を島田社長は、「真摯に挑戦する職人の様だ」と表現した。この姿勢が同社では、設立以来60年以上に渡り貫かれてきた。だからこそ、単なる姿勢ではなく、同社の強みの根源として磨かれてきたのだろう。「技術も重要だけど、何より大切なのはお客様の要求に何とか応えようという心ですよね。これがウチにはあります」島田社長はこう締めくくった。
  • 独自性
    エレベーター表示器のプロフェッショナル
    島田電気製作所の強みである、お客様からの高度な要望に応えられるオーダーメイド生産。それを実現するのは、技術力と一貫した生産体制だ。他国と異なり日本では、洗練された高級感のある意匠が好まれる。当然、同社の顧客であるエレベーター会社からも、細かな傷1つも許されない精密さと、こだわり抜いたデザインが求められる。同社では、60年以上一貫してエレベーターの表示器を作り続ける中で、こうした意匠を形にする技術力を磨いてきた。
    加えて同社では、製品のデザイン・設計から製造まで一貫して行う生産体制が完璧に整っている。これがもし、デザイン・設計のみでは、現場で求められる繊細な技術面で、お客様からの要望に柔軟にスピード感を持って対応することはできなく、また製造のみでは、お客様を感動させる、付加価値の高い意匠を提供することはできないだろう。高度な技術力と、一貫した生産体制の2つが、同社のお客様からの高度な要望に応えられるオーダーメイド生産を可能にしている。
  • 展望
    過去に捉われない、新たな島田電機へ
    今国内のオーダーエレベーターの表示器市場では、とにかくコストを重視するという風潮が強まっている。その現状に対して島田電機製作所は、オーダー製品の標準化、ラインナップ化を検討している。これまでの実績をカテゴリー別にまとめ、ラインナップすることで、お客様の仕様決めにかかる時間を削減したり、設計をなくすことができ、作業を大幅に簡素化できるので、コスト削減に貢献できると考えている。同時に、生産される表示器がある程度、標準化されれば、製造ラインの工程もシンプルになり、より効率的な生産体制も実現できる。更に、同社の活躍の場は国内に留まらない。今までの実績と信頼、ノウハウの蓄積を武器に、国内において地位を確立してきた同社が次に着目したのは、高層ビルなどの開発の成長が著しい中国だ。既に2008年には中国で子会社を設立、同社が海外に打って出る基盤は既に整っているのだ。「とにかく、過去に捉われない、というのが重要ですね」島田社長は同社の未来を力を込めて語った。
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国際エレベーター展へ出展
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大盛況の同社ブース
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社内の製品展示パネル

島田社長に聞く、島田電機の現在と未来

―最近の社内で力をいれて取り組んでいることを教えてください
今、より生産性の高い仕事を行う事を社内のテーマにしています。その取り組みの1つとしてやっているのが、ワークライフバランスのための時短(短い時間で価値を出すこと)です。単なる経費削減のため、ではなく、時短をすることで社員にとって様々な部分でプラスになるよね、ということを共通認識として持ちたかったんです。だから、まずは、同じ給料貰うのであれば、仕事は早く終わった方が良いよね、ということを皆と話しました。その上で、時短が達成され成果を上げれば追加で決算賞与も出しました。結果、納期が立て込んでいる状況下において、部署間でもお互いに協力して、決められた短い時間の中で仕事を間に合わせる様に主体的に社内が動くようになりました。この取り組みは今後も続けていきたいですね。
―今後、どのような人達を採用したいですか
年次の低い高いに関係なく、自分で考えて行動、発言できる人達と働きたいですね。今後は特に、新たな発想を結集して、新市場の開拓であったり、新製品の開発をしていかなければいけないタイミングになってくるので、自発的に行動してくれる人たちが更に社内に増えていくと良いですね。加えて、様々な人材を採用して、活用していきたいと考えています。例えば、他社の色に染まっていない若くてフレッシュな人材や、逆に他社で経験を積み、人を育てたいと思う元気なシニアの方や、さらには女性にも活躍していただきたいですし、外国人とも一緒に働きたいと思っています。こうした多様化が、社内の良い刺激になるのではないかと考えています。
―2020年までの目標と課題を教えてください
売上10億円を目指そうという目標を掲げています。現在の売上は8億円なのですが、今のやり方では2億円の増収は難しいです。そのギャップをどう越えていけばいいかを模索しながら、取り組んでいるところです。ギャップを解消するために、私達がやるべきことは、今までのやりかたに捉われずに、新しいアイディアや発想をどんどん提案していくことです。更に言うと、新しいことを始めるアイディアや発想を持っている若い人達が、活躍できる環境を作るということが、私が力を入れて取り組まなければいけない課題だと考えています。その為に、人事制度の評価基準を変えてみたり、社内表彰制度をより活発に行ったり、人員配置を柔軟に変えてみたりと現在は様々な形で試行錯誤をしながら社内を活発化させております。

KEYPERSON

株式会社島田電機製作所 代表取締役社長 島田正孝

「人の体ではなく心を動かしたい」

株式会社島田電機製作所 製造部アクリル/板金グループ長 後藤 敦也

後藤さんは、製造部の中でアクリル、板金2つのモノづくりグループの長を兼任する若手の実力派リーダーだ。後藤さんは、製作工程・進捗管理の業務を通じて、お客様に高品質の製品を納期内に提供するという重要なミッションを担っている。
もともとはグループのリーダーはアクリルと板金グループにそれぞれ1名ずつ配属されたいたのだが、部署間の連携をスムーズにする目的で、1人の人間が兼務することになり、後藤さんは、その重役へ大抜擢されたのだ。
入社してからは、一貫してアクリルグループで経験を積んできた後藤さんにとって、板金は未知数の世界であるが、それでも後藤さんは日々学びながら、グループ長として奮闘している。今回はそんな後藤さんに、同社で働く魅力をお伺いした。

伝統の継承と挑戦の未来を担う社員の思い
  • 入社理由
    自分の手で、身近に目にするものをつくる
    同社に入社する前は、建設会社の現場監督に従事していた後藤さん。もともとはモノづくりに大きな関心を寄せていたわけではなかったが、建設現場の職人さん達が自らの手で建物をつくり上げるのを目の前で見続けるうちに、「自分の手で何かをつくってみたい」という思いが芽生え、その思いを実現できる環境を探した。
    自分が普段から何気なく触れているものを、自分でつくることができれば、自分の仕事のやりがいを実感できるに違いないと考えていた後藤さんは、エレベーター表示器をつくっている同社に心惹かれた。加えて、当時の同社ではアクリル加工の部署が期待を込めて立ち上げられたばかりで、自分がそこに参画できれば、「自分が成長することで部署も成長する」という大きな使命感を感じながら仕事ができると後藤さんは考えたのだ。
    今や同社にとってなくてはならないアクリルグループの確立には、間違いなく、現在はグループリーダーとなった後藤さんの成長と活躍が一役買ったと言えるだろう。
  • やりがい
    自らの手でつくる、オーダーメイドの面白さ
    「弊社は完全、オーダーメイドで生産しているので、人の手を掛ける部分が非常に多いんです。ものづくりの面白さを実感できますよ」島田電機製作所でのものづくりの魅力を後藤さんはこう語った。完成品を見ると一見無機質で自動的に作っているように見えるボタンや部品でも、一つひとつ丁寧に手作業でつくられているのだ。お客様の要求に如何に応えるかということがオーダーメイド、手作業の真髄だ。高度な技術が要求される意匠の製品は、職人の腕が鍵になる。後藤さんのような熟練の職人が、心を込めてつくり上げる製品は、傷1つなく、非常に美しい。一方で難しい納期が要求される製品には1人での力では太刀打ちすることなどできない。「難しい納期の製品は、グループ内外の連携の中で検証、検討を繰り返して行って、1秒でも早く納品する方法を皆で捻り出します」困難に思われる状況にも、どんな顧客の製品に対する要望も、オーダーメイドで対応する。これこそが同社での仕事のやりがいだと、後藤さんは目を輝かせた。
  • 夢
    皆の心を動かしたい、マネジメントサイドとしての野望
    同社が生き残り、更なる成長を実現するためには、同社の技術と発想を活用し、高付加価値な自社ブランドをつくることが必要であると、社の未来について語る後藤さん。それは決して簡単なことではないが、後藤さんだからこそ、その実現に大いに貢献することができる。
    同社の社員はお客様からの要望に応えること、高品質な製品を納品することについて、一人ひとりが並々ならぬ熱意と技量を持っている。そのパワーを、部署の垣根を超えて集約し、全員で一致団結して新しいアイデアや製品を追求する体制をつくることが重要だ。
    アクリルと板金グループのリーダーを兼務する後藤さんは、まさに部署の垣根を超えた活動に貢献できる立場と力を持っている。社員の心に火をつけて、社員たちから色々なアイデアが飛び出してくるような風土にしていきたいと後藤さんは語る。「人の体ではなく、心を動かせるようになりたいですね」この言葉が、後藤さんの思いのすべてが詰まっている。
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洗練された意匠の数々
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社内行事の綱引き大会で真剣勝負
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上海にて現地社員との集合写真

後藤さんが語る、現在の島田電機製作所

-今の会社に必要なことを教えてください
一言で言うと、コミュニケーション、特に自分の意見を発信していくという風土ですね。例えば何か改善策や意見があったら、自分の頭の中にしまい込んで終わりにしてしまうのではなく、もっと積極的に意見を発信するなどのコミュニケーションをとって、全体に広げていくようなことができれば、もっと当社は良くなると思います。情報発信ができるようになると、今度は色んな人を活動に巻き込んでいって、全社的に会社を変えていくようなことができるようになっていくのだと思います。
これは、私自身も今後成長していかなければいけないポイントだと思っていますので、まずは自分からこの変化を起こしていきます。
―ユニークな社内制度について教えてください
うちの会社では様々な委員会活動を行っています。社内報を発行する編集委員会や、安全管理委員会、安全運転委員会など、組織を活性化させるために必要な活動を社員自ら実行するという制度です。この制度の面白いところは、部署・役職の垣根が一切ないというところですね。だからこそ、皆、積極的に意見をどんどん出していくことができます。
ちなみに僕は安全委員なのですが、毎年7月に皆から安全についてのスローガンを募集するという形を取って、製造業には欠かせない安全について考えてもらい、投票形式でその年の標語を1つ決定します。今年のスローガンは「つもり 積もれば 大事故に」です。社内からも評判が良く、意識の引き上げにも一役買っていると自負しています。
―島田社長がどんな方か、教えてください
島田社長は、社の食事会の時など、自らグラスを持って、社員一人ひとりに乾杯しに来てくれる、そんな社長です。だから社長に対して皆、壁はほとんど感じていないと思います。社長室のドアも常に解放するなど、私達からも社長に話しかけることができるような雰囲気づくりをとても気を遣ってやっていただいているんだと思います。
後は、一度決めたことは絶対にやり切る方ですね。例えば、それぞれのグループで目標を設定し計画を立てるのですが、しっかりと目標を達成することができるのかと、島田社長自ら細かく深堀りして、アドバイスをくださります。自分の事だけではなく、従業員に対してもこの考え方で臨んでくださる徹底ぶりがすごいな、と思っています。
■監修企業からのコメント

株式会社島田電機製作所 代表取締役社長 島田正孝

噴出し左
島田電機製作所が、エレベーター表示器のパイオニアとして、60年以上最先端を走り続けてきた軌跡を辿ることができました。毎日目にし、触れているエレベーターのボタンやランタンへの熱い思いをお伺いしたことで、今後私はエレベーターに乗る度、同社の事を思い出すことでしょう。エレベーターの様にどんどん昇っていくであろう島田電機製作所に、これからも目が離せません。
■掲載企業コメント

株式会社島田電機製作所 代表取締役社長 島田正孝

噴出し右
取材を終えた感想
このような形で弊社を取材して頂き、ありがとうございました。私自身、社内に向けて想いを改めて発信する良い機会になりました。現場の社員も取材を受け、良い刺激になったようです。
株式会社島田電機製作所
代表取締役社長 島田正孝
1933年 東京都港区白金三光町にて島田電機製作所としてエレ
      ベーター部品の製造を開始する
1943年 事業拡大に伴い東京都世田谷区北烏山に移転
1949年 社名を株式会社島田電機製作所に改め、現在の島田電
      機のスタートとなる
      主要取引先:日本オーチス・エレベータ(株)、三菱電
      機(株)
1955年 (株)日立製作所の仕事を始める。主要取引先:日立系
      列のみとなる
1963年 分工場として茨城県内原町に(株)内原電機製作所を設
      立する
2003年 ISO9001;2000の認証を取得
2004年 (株)日立製作所に加え、東芝エレベータ(株)、日本オ
      ーチス・エレ ベータ(株)、三菱電機(株)など日本の主
      要エレベー ターメーカー各社と取引を開始する
2007年 中国市場の調査、開拓のため、上海に事務所を設立す
      る
2008年 中国上海市に島田電機(上海)有限公司を設立
2013年 住宅地域での製造業に限界を感じ、東京都八王子市大
      和田町に移転
創業年(設立年) 1933年(1949年)
事業内容 各種エレベーター,エスカレーター用操作盤,表示器の製造及び販売
所在地 東京都八王子市大和田町3-11-1
資本金 1,200万円
従業員数 47名
企業URL http://www.shimada.cc/

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