DENTOU TIMES

株式会社鳥新 代表取締役社長 磯田 聖規

業界活性化へ向けた 未来へのチャレンジ

株式会社鳥新 代表取締役社長 磯田 聖規

株式会社鳥新は、明治28年に産声を上げた創業120年を超える長寿企業。創業当時から”食肉(鶏肉)の小売”という事業を軸にして発展を遂げてきた。現在では卸売はもちろんのこと、自社直営の小売店舗の運営、さらには取り扱う食肉に関しても、鶏肉のみならず、豚肉や鴨肉といった分野に参入し、北は北海道、南は沖縄まで日本全国に、そして海外に至るまで仕入先や顧客を有するに至っている。今回お話を伺ったのは、5代目として陣頭指揮を執る磯田社長。磯田社長は27歳で同社に入社。同社における営業、加工、財務等、全業務に携わり、2012年に代表へ就任。同社の全てを、文字通り肌で体感してきた磯田社長より、今後の展望や組織作りにおける考え方等、様々なお話を伺った。

伝統の継承と、未来への挑戦を可能にする革新企業の本質
  • 社風
    歴史の中で育まれた「自由闊達」という社風
    「自由闊達」、その一言で磯田社長は同社の社風を表現する。その社風のルーツを紐解いていくと、磯田社長の父である先代社長の考え方を垣間見ることができ、その考え方が現在も継承されていることが分かってくる。先代社長は、いわゆる「ワンマン」ではなく、社員の自主性を尊重し、社員に裁量を与えていたという。現社長である磯田社長は、その考え方を踏襲。その最たる例として、企業経営において生命線と言っても過言ではない仕入れや販売の決定権を各営業担当に与えているのだ。経営トップの考え方が現場に浸透し、社員が自分で考え行動する文化が生まれ、それが「自由闊達」という社風に繋がっている。また、同社は入社30年を超えるベテランから20代の若手まで、年齢層が幅広いという特徴を有しているが、これも社員の自主性の高さたる所以であろう、ベテランが若手に仕事を継承していくということが、社長主導ではなく、現場主導で行われているという。「自由闊達」、その社風の中で、社員自ら考え、未来の鳥新を作っているのだ。
  • 独自性
    熟練の技が織りなす、きめ細やかな対応
    「きめ細やかな対応ができる技術力」、それが同社の独自性だ。同社の顧客層は居酒屋、病院、専門小売店等、多岐に渡る。また、顧客ごとに仕入れ量も「数十トン単位」~「ササミ一本」と幅広く、その全てに対応することが可能。多岐に渡る顧客層、幅広い仕入れ量に対応している同社であるが、どんな仕事においても変わらないのが「きめ細やかな対応」だ。顧客からは様々な要望が寄せられる。例えば、顧客の一つである病院。病院食には脂肪分の少ない「ササミ」が使われることが多いという。病院側からは、より健康的な病院食を患者に提供するために、元々脂肪分が少ないササミに対して、包丁を用いて更なる加工を施すことで、ササミに残った脂肪分を限りなく取り除いて欲しいといった要望がある。そういった要望を実現可能にしているのが、熟練の加工技術。食肉を切る、刻む、ベテラン社員の熟練の技術があるからこそ、きめ細やかな対応が可能となっているのだ。「手間暇かけても本当に良いものをお客様に提供したい」、磯田社長は笑顔で語る。
  • 展望
    業界再生へ向けた熱き思い
    「小売店舗をさらに展開していきたい」、磯田社長は熱く語る。卸を主軸として事業を営む同社であるが、今後は小売店舗の出店を積極的に行っていきたい考えがある。その背景を尋ねると、磯田社長は「これは理屈ではなく、創業家に生まれたが故のDNA」と話してくれた。創業120年を超える同社の始まりは、鶏肉の小売店舗。今一度原点に立ち返り、更なる発展を目指しきたいと磯田社長はいう。この目標は、自社の更なる発展という目的はもちろん、業界全体を盛り上げていきたいという磯田社長の並々ならぬ決意が秘められている。現在東京都内には200~300の鶏肉の小売店舗が存在しているが、時代を遡えると800店舗ほど存在していた時代があったという。縮小する業界を盛り上げるべく、まずは同社が積極的に展開していくことで、モデルケースとなっていくのだ。創業家に生まれ、幼少期から業界を見てきた磯田社長、そして同社で働くメンバーは、自社のみならず、業界再生に向けて動き出している。
説明画像
小売展開、そして外食業界へ
説明画像
板橋区の鶏肉屋といえば、鳥新
説明画像
お客様は全国各地

同社の発展と業界の発展に向けた、磯田社長の考え

―小売店舗の展開以外に、磯田社長が描く今後の展望を教えてください
外食事業へ参入していきたいと考えています。卸市場が縮小しているということもあり、未来を作るためには新たな事業領域への挑戦が必要になります。例えば、焼き鳥屋でも、ヨーロッパの食材を用いた高級店でも良いですし、外食分野に挑戦をしていきたいと考えています。我々は約120年という長い年月、食肉に携わってきました。そのことから多岐に渡る仕入れルートも持ち合わせていますし、これまで培ってきた強みを生かしていきたいですね。これは小売店舗の展開とも重なりますが、我々がそういった挑戦をしていくことで、業界全体に活気が出てくると思います。外食分野への参入は2、3年以内に実現していきたいと考えています。
―磯田社長が考える、展望実現に向けたポイントを教えてください
ベテランと若手が融合し、皆が同じ方向を目指して邁進していくことだと思います。当社は本当に素晴らしい社員ばかりです。ベテランは若手に仕事を熱心に教え、若手は積極的に学ぶ姿勢を持ち、良好な人間関係が築けていると感じています。その人間関係をベースに、皆が共通の仕事の目的を持ち、より一致団結していける、それが重要だと思いますね。具体的には、今私が考えている小売店舗の展開や外食への参入等、一人で成し遂げられるものではありません。しかし、全員の力が合わせれば、非常に大きなパワーを発揮すると思いますし、実現に向かって大きな前進を遂げると思います。そのことから、共通の目的を持ち、全社一丸となって邁進していきたいですね。
―磯田社長が大切にしている考えについて教えてください
当社で働く社員が、「鳥新で働いて良かった」、そう思える組織を作っていくことですね。当社の独自性として、きめ細やかな対応が挙げられますが、近年、我々と同業種の会社は商社化が進み、食肉を右から左に流すということが主流になる中で、我々は加工場を持ち、食肉一つ一つを加工しています。この細やかな対応は、非常に誇れることだと私は思っています。地味な仕事に感じる方もいらっしゃるかもしれませんし、なかなか「これをやりたい」といって業界の門扉を叩く方は少ないですが、「鳥新で働くことができて良かった」、「この仕事、業界に携わって良かった」、少しでもそう思ってもらうことができればと常々考えていますし、この仕事の社会的認知ももっともっと向上させていきたいですね。

KEYPERSON

株式会社鳥新 代表取締役社長 磯田 聖規

大きな裁量のもと 大きな成長を

株式会社鳥新 特販一部 斉藤 大貴

今回お話をお伺いしたのは、新卒で株式会社鳥新に入社し、現在4年目となる斉藤さん。入社から現在に至るまで、鶏肉をメインに取り扱う営業職として仕事に従事している。同社の営業職は仕入れ先との交渉から顧客への販売まで一貫して担当することが特徴の一つ。顧客の多岐に渡るニーズへ対応するため、足しげく顧客へ訪問して情報を得ることはもちろん、仕入先の開拓にも余念がない。日々のきめ細やかな行動から、「どのお客様が、いつ、どんな商材を、どれだけ必要か」ということを把握するに至り、顧客の要望に応えるだけでなく、こちらから先に仕掛ける提案営業を得意としている。同社の未来を担うべく日々仕事に邁進する斉藤さんより、仕事内容や思い描いている夢や目標など、様々なお話を伺った。

伝統の継承と挑戦の未来を担う社員の思い
  • 入社理由
    120年の歴史が刻む企業努力と社員の人柄
    「120年存続する企業努力の素晴らしさ」と「社員の人柄の良さ」、それが斉藤さんの入社理由。新卒で同社へ入社した斉藤さんは、学生時代に食品を学ぶ学科に在籍していたことから、食品業界を中心に就職活動を実施。「120年も続く企業は、苦労や困難も超えてきている、それが純粋にすごいと感じた」、さらには「面接で訪問するたびに社員の人柄を直接肌で感じることができた」と続ける。同社へ面接で訪問する際に聞かれる社員の元気な挨拶、面接中にかけてくれる言葉の数々や、同社に隣接する直営の小売店舗の活気、その一つひとつから同社の長い歴史の中で育まれた文化、人柄の良さを感じることができ、入社への思いは日に日に増していったという。入社するまでは右も左もわからない中で不安もあったというが、それ以上に同社で働くことへの期待は大きかったという。現在入社4年目の斉藤さん、鳥新が育んできた文化を継承、そして進化させるべく日々仕事に励んでいる。
  • やりがい
    自ら考え行動する、それが営業の醍醐味
    「自ら考え行動ができる」、それが斉藤さんのやりがいだ。同社における営業職の特徴は、大きな裁量。なんと、仕入れ価格や仕入れ量、そして販売価格を営業担当の裁量で決定することができるのだ。例えば、冬になると鍋やクリスマスシーズンにより鶏の「手羽元」という部位の需要が高まる。仕入れが困難となり、必要な時に、必要な量を仕入れることができずに、顧客を困らせてしまうことにも繋がりかねない。斉藤さんは、時期やエンドユーザーの消費動向を読み取り、夏から在庫の確保をすることで、顧客に対して手羽元を必要な時に必要な量を適正な価格で提供するという行動を取ることで、顧客の要望を満たすだけではなく、感謝をされた経験もあるという。このように、斉藤さんは大きな裁量のもと、いかんなく力を発揮している。与えられた裁量をどのように使うかは自分次第であり、難しくもあるが、それが上手くいった時こそ、仕事の醍醐味であると斉藤さんは笑顔で締めくくった。
  • 夢
    幹部候補としての自覚を持ち、日々成長
    斉藤さんが掲げる長期目標、それは「会社の役員となり、会社に貢献する」ことだ。同社は、ベテラン社員と若手社員が融合した組織である。ベテラン社員から知識やスキルを吸収する毎日であるが、いち早く成長し、会社を動かす幹部になることを目標としている。「幹部候補として採用してもらっている自覚が自分自身にあることから、将来的に幹部という立場になるという気持ちを持って日々仕事に取り組んでいる」、そう斉藤さんは熱く語ってくれた。幹部への道のりとして、営業職である以上、同社への利益貢献は絶対的なミッションと考える斉藤さん。そのことから、短期的な目標では、現在メインに扱っている鶏肉以外にも、取り扱える食肉を増やしていくたいと考えている。同社では鶏肉の他にも豚肉や鴨肉を取り扱っており、その知識も習得することで、同社へより利益貢献できる社員になっていきたいという。斉藤さんは新卒入社社員のキャリアモデルとして、躍進を続けていくことに、疑いの余地はない。
説明画像
鶏肉だけじゃない商品幅
説明画像
家庭にも届く、鳥新の味
説明画像
仕入れ先の開拓もグローバル化

幹部候補の若手から見る鳥新

―1年以内に実現したいことを教えてください
新たな仕入先の開拓ですね。そこで私が目を向けているのが海外です。海外の中でも、現在鶏の輸入量が増えている国がタイです。タイとのパイプを作ることで、お客様の要望にさらに応えていくことができます。そのことから、現地に視察に行き、交渉を進めていきたいと考えています。タイに新たな仕入先が誕生することで、私が担当するお客様に喜んでいただくことはもちろん、会社にとっても大きなプラスを生むことになると思っています。また、余談になりますが、私自身タイに行ったことがないため、「現地の食事を楽しんだり、海外の方とお話したりするのが純粋に楽しみ」という思いもあります(笑)。
―斉藤さんから見た磯田社長はどんな方ですか
磯田社長は、社員のことを常に気にかけている、とても社員思いの社長だと感じています。当社はお客様へ食肉を配送するために、トラックを保有しています。お客様へ食肉を配送する際、お客様の都合や道路の混雑状況によって、運転を担当する社員の帰りが夜遅くなることもあります。そんな時、社長は必ずその社員の帰りを待ってくれています。社員が会社へ到着したのを見届けてから、社長は帰社するのです。これは本当にすごいことだと感じます。社員を大事に考えているからこそできる行動だと思いますし、頭でやろうと思っていても、なかなか継続することは難しいと思いますが、社長は完全に習慣化していますね。
―鳥新で働く「楽しさ」について教えてください
多種多様な人と出会うことができる機会が豊富ということですね。人と直接会い、話をすることが自分の学びに繋がっていると思います。例えば、全国にいるお客様や仕入れ先、そして各事業所から研修に来る当社の社員。多くの人とのコミュニケーションを通し、社会人として、そして同社の一員として学ぶことは多く、刺激の多い日々を送らせてもらっています。中国へ出張した際は、現地の方と直接お話をさせていただきましたし、現地の方とお酒を酌み交わしながら仕事の話、プライベートの話もしました。そこでも勉強になることは多く、とても良い経験になりました。多種多様な方と触れ合えることが経験となり、自身の成長の糧になることから、人と出会える機会がたくさんあるということは、楽しみの一つです。
■監修企業からのコメント

株式会社鳥新 代表取締役社長 磯田 聖規

噴出し左
120年以上の長い歴史を持つ同社。今回お話をお伺いし、長い歴史があるにも関わらず常に変わっていきたいという気持ちが磯田社長からはもちろん斎藤さんからも伺えました。そしてそれが、事業展開だけでなく、社員さんを思う磯田社長の気持ちも同社の魅力であると感じました。今後の展開に注目していきたい企業です。
■掲載企業コメント

株式会社鳥新 代表取締役社長 磯田 聖規

噴出し右
取材を終えた感想
今回取材を受けて、自分自身が鳥新という会社を見直すきっかけになりましたし、社員の声を聞ける良い機会となりました。この取材を通じて、さらに多くの皆様に弊社を知っていただけたら幸いです。
株式会社鳥新
代表取締役社長 磯田 聖規
1895年 初代磯田新助が現在地に諸鳥鶏卵問屋鳥新商店
      を創業、業務用向け諸鳥鶏卵の卸業務を開始。
1897年 小売店対象の卸業務を開始、以来地方生産地と
      東京消費地の流通中継点として重要な役割を務
      める。
1950年 小売部新設、本店所在地において、鶏肉・鶏卵
      の小売を開始。
1979年 食肉加工品の取扱開始。
1981年 フランスBARBARIE duckの大手パッカー
      SOULARD社と業務提携。「バルバリーダッ
      ク」 をはじめフランス産グルメミートを大量
      輸入、販売開始。
1982年 イスラエルAGREXCO社よりイスラエル産
      フォアグラの輸入、販売開始。
1993年 GERARD BURGAURD家のみに継承された、
      世界的に名高い伝統の希少品種「シャラン鴨」
      の日本独占輸入契約を締結。
      空輸によるフレッシュ輸入開始。
1994年 チキン需要の多様化、仕入れルートの多元化に
      対応して、米国・ブラジル・タイ・中国等の
      輸入チキンの取扱いを拡大。
1999年 輸入酒類卸売業免許及び飲食店向けの酒類小売
      免許取得。
2000年 フランス・イタリアよりチョコレートの輸入
      販売開始。
2007年 種類小売販売免許取得。当社直輸入ワインの
      小売り販売を開始。
2012年 代表取締役 磯田聖規(五代店主)就任
創業 1895年
事業内容 食肉及び食肉加工品及び関連食材の生産・輸入・販売
所在地 〒173-0005 東京都板橋区仲宿39番3号
資本金 3,000万円
従業員数 60名
企業URL http://www.torishin.jp/index.html

※このサイトは、取材先の企業から提供されているコンテンツを忠実に掲載しております。 ユーザーは提供情報の真実性、合法性、安全性、適切性、有用性についてイシン(株)は何ら保証しないことをご了承ください。 自己の責任において就職、転職、投資、業務提携、受発注などを行ってください。くれぐれも慎重にご判断ください。

ページのTOPへ