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株式会社小嶋工務店 代表取締役社長 小嶋智明

嘘のない、『根拠のある家』を造り続けたい

株式会社小嶋工務店 代表取締役社長 小嶋 智明

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1965年、小嶋工務店は府中の地で「地域の工務店」として誕生した。永続的に続く家を造りたいとこだわり続け、半世紀。「お客様に対して嘘はつきたくないから、なぜ良い家なのかという根拠を全て並べたい」そう語る小嶋社長。東京に雪が降った際、小嶋工務店は周囲にそのこだわりを見せつけた。断熱性が悪い家の屋根に積もった雪は、たった1日で溶けてしまう。暖房器具により温まった空気が屋根を温め、熱が外に逃げてしまうからだ。しかし同社が建てた家、つまり断熱気密性が良い家には雪が残っていたという。一般の購買者からすると「良い家」を見極めるのが難しい中、こんなにも明確に証明することができるのである。従来の形にとらわれず、家造りへのこだわりを形にしてきた小嶋社長に話を伺った。

伝統の継承と、未来への挑戦を可能にする革新企業の本質
  • 社風
    お客様の視点に立った仕事
    同社にとって、お客様の視点に立つことは全社員の普遍的な共通項である。それは、お客様に迷惑をかけないよう、お客様に満足して頂けるよう、真剣に向き合っているからだ。これまで数多くの研修を実施し、考え方や姿勢について指導をしてきたが、それだけでは本当にお客様の視点に立つことはできないと言う。1つ例を挙げると、同社ではお客様の「生の声」「感情」等を感じてもらうため、着工式には建設に関わった大工、そして直接関わっていない社員も参加する。その際、お客様から直接同社を選んで頂いた理由や率直な感想を伺うことで、お客様の人生に関わっているという意識をしっかりと持つためである。建設に関わる大工や社員からは、目の前でお客様の思いを聞くと建設中に手を抜くことは以ての外、「もっとこうしたらお客様が喜ぶんじゃないか」というプラス αの発想が出てくる。この社風がお客様に伝わり、そして後輩たちへ脈々と受け継がれていく。永続的に続く家を造り続ける同社にとって、欠かせない社風だ。
  • 独自性
    良い家の追求
    「良い家造り」をとことん追求すること、当たり前を徹底してこだわり抜くことが他社には真似できない独自性になると小嶋工務店は考える。小嶋社長は就任後、社員を集め、「良い家の定義」について話し合った。社員からは「ソーラーサーキットを導入したい」「天然乾燥のヒノキを使いたい」等多くの意見が飛び交った。これまではどこかに「やらされ感」のあった社員たちが、お客様に喜んでもらえる、自分たちが造りたい家を考えることで、仕事へ向かう意識が変わっていったと言う。ある社員は、本社の一角で天然乾燥のヒノキの研究を粘り強く続け、変形しないための方法を編み出した。そしてお客様のみならず、国土交通省長期優良住宅先導事業に採択され、国からも注目された。また、お客様からは見えることのないビス1本にまでこだわり、「良い家」の根拠をまた1つ並べていく。自分たちでこだわり抜いた家だからこそ、どうしても価格交渉になりがちだった営業も、今ではお客様に自信を持って提案をすることができるのだ。
  • 展望
    存在価値のある企業となる
    「今はうちがいなくなっても、世の中は変わらないんだよね」と小嶋社長は語る。多くの企業がそう感じているのではないだろうか。その中で、地域に根付いた100年企業を目指す小嶋社長はそこに住む人々にとって、必要不可欠な存在になりたいと話している。そしてそのためには「循環型社会を構築する必要がある」と小嶋社長は話す。現在は山の木を切って、市場に卸し、建設会社が購入をし、家を造る。それが一連の流れとなる。しかし木を切っただけにしていては、山は疲弊し、永続性がない。今後は木を切った分だけ新しい木を植えて、そこにお客様の名札をつけ、所有してもらう。そうすることで、その木が成熟した30年後にはそのお客様のお子さんがリフォーム等で使用することができるようになる。お客様に山や木へ目を向けてもらうために、現在ではバスツアーを行っている。「小嶋工務店に関わると山と繋がれる」という仕組みを作り、地域の100年企業を目指していくのだ。
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お客様との着工式
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小嶋工務店のこだわりを実証
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こだわりのヒノキ

小嶋社長の改革の軌跡

―1年目の改革について教えてください〜プロジェクト活動編
改善したいことが色々あったので、専務取締役に就任後は改革を進めていきました。まず部門間の繋がりを高めようと思い、26個のプロジェクトチームを部署や役職は関係なく結成しました。例えば、光熱費削減チームを作って、無駄遣いを無くすための活動を行いました。結果は年間1億2千万円ものコスト削減に成功したんです。他にも、地域に根付いた企業にしていきたいという思いから近隣の方への日頃の感謝を表すために毎週火曜日のオレンジディ(近隣清掃日)を始め、今では弊社のイベントに多くの方が参加しています。日々の業務がある中、数々のプロジェクトを立ち上げたので、当然最初は社内から反発もありましたが、社員同士議論を重ね、考えをぶつけ合うことで全体の意志統一が図れたと考えています。
―2年目の改革について教えてください〜こだわりの家をPR編
2期目は、「家にこだわりを持つ」というテーマで走りました。もっとこだわりをPRするために、まずは国が主催するの賞に挑んだのです。初めて参加をした時は自分一人で挑み、落選してしまったのが悔しくて。次からは優秀な社員を集めプロジェクトチームを結成して挑み、見事受賞しました。そして「国の次は東京都」だと考え、都が主催している「多摩産材普及拡大事業」というコンぺに挑み、ここでも認定して頂き、補助金によって立川に新しい展示場を作ることができました。最後に地域にも認めてもらいたいと、多摩川信用金庫が主催している多摩ブルーグリーン賞の経営部門に応募し優秀賞を頂きました。今振り返ってみると1番は受賞して自信を持った社員が増えたということが最大の功績だと考えています。
―3年目の改革について教えてください〜こだわりの家の浸透編
私達が扱っている『東京の木』に触れてもらい、天然乾燥の拘りの香木を五感で感じて頂きました。お客様自身が他の工務店やハウスメーカーとの違いを実感して頂く事によりカタログでは感じられない事をお伝えしました。天然乾燥の檜と人工乾燥とでは匂いや色、性質も変わります。一本一本の強度を測定し印字する事により、耐震性も向上しその拘りを『ガイアの夜明け』で取上げられることになり、私達が拘る温熱環境(ソーラーサーキット)と、天然乾燥の香木(TOKYO WOOD)を使用した家造りが地元で支持されるようになってきています。その拘りが、長寿命供給システム認定として東京都で初めて採択されました。これからも他社がまねできない拘りをマニアックに追求して、地元で永続的に必要とされる工務店を目指していきたいと思います。

KEYPERSON

株式会社小嶋工務店 代表取締役社長 小嶋智明

お客様一人ひとりの満足度の追求

株式会社小嶋工務店 施工管理部門 米谷 綾菜

設計士になることを夢見て、設計の専門学校に入学。その後小嶋社長の良い家造りへの思いに惹かれ、同社に入社を決めた米谷さん。それから4年が経とうとしている中で、彼女の家造りへの思いは日に日に熱くなっていく。入社して3年は同社のこだわりを自ら理解することと同時に設計のサポートを勤め上げた。今年からは図面だけではなくCADを使用し、お客様の思いを形へと表現していく。そして今後は、同社のこだわりを設計士という立場からお客様に伝えていき、お客様の満足度を追求していきたいと考えている。そんな米谷さんから今回はお客様に対する熱い思い、そして今後の夢についてを伺った。

伝統の継承と挑戦の未来を担う社員の思い
  • 入社理由
    社長の熱意に惹かれ
    「入社を決めた1番の理由は小嶋社長の家造りに対しての熱い思いですね」と笑顔で答える米谷さん。入社前、設計の専門学校に通っていた米谷さんは、キャリアサポートセンターからの紹介で同社に出会う。初めは面接官に対して怖いイメージを抱きつつ同社を訪問したが、面接で出会ったのは優しい社員の方々だった。最終面接では、小嶋社長から環境に配慮した木材の仕入れ方法やお客様のためにこだわり抜いた家への思いを直接伺い、その熱意に惹かれ入社を決めたという。その一つとして、山買いがある。同社はパートナーとひとつ山を買い、その山の木を使用して家を造り、また新しい木を植えている。これは「良い木を使用したい」「山の循環を良くし、永続的に木と共存ができる環境を構築したい」という小嶋社長の思いが形になったものである。そして、その一つひとつにこだわりを持っている小嶋社長の思いが米谷さんにも引き継がれているのだ。
  • やりがい
    できることが増える喜び
    「新しいことを経験する日々の中で、自分の成長が実感できる」これが米谷さんのやりがいだ。米谷さんは同社の設計部で3年間勤め、現在はCADの勉強をしている。初めはCADの使い方もわからなかったが、日々新しいことをさせてもらい着実に力をつけてきた。その結果としてお客様から「理想の家が建ってよかった」と言って頂くこと、それが直接図面やCADで作成したものによってではなくとも、米谷さんのやりがいや喜びに繋がる。更に注文住宅を担う同社は、お客様によって図面も完成図も異なってくる。よって、米谷さんが関わってきた案件の中でも今までの事例にはない案件も多くあるという。新しいことへ挑戦し、そこから多くを学び、上司やお客様の期待を超えることができた時米谷さんは仕事の楽しさを覚えるという。専門的な知識が必要な仕事であるが故に学びを止めることはできない。だからこそ自分自身に力がついてきていると実感することができるのがこの仕事になるのではないか。
  • 夢
    お客様に満足してもらえる設計士
    お客様に満足してほしい。そのために設計士として何ができるのか。図面は家造りの過程の一部であり、中々注目されることが少ない。そんな中図面の作成を通し、どのような形でお客様に満足して頂くか。それを考えながら話す米谷さんは楽しそうだった。設計士はお客様と関わることもあり、お客様の希望を満たすためにはそのお客様と良い人間関係を構築できなければいけない。どのようにしてお客様の要望を引き出していくかはその人の会話力も必要になるという。更にお客様との会話の中で、表面的なニーズだけではなく、そのお客様がどんな暮らしをして、どんな人生を送りたいのか、そこまでお客様の先の人生まで汲み取ることができる設計士こそお客様に満足して頂けるであろうと米谷さんは語る。正確に図面を描くことは設計士として重要な要素。しかしそれだけでは、お客様の本質的な要望を掴むことは難しい。そうして米谷さんは今日もお客様のことを思いながら理想の設計士へと進む。
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泊まれる体感住宅
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ヒノキとの触れ合い
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山へお客様とのバスツアー

米谷さんから見る小嶋工務店

―社内の雰囲気について教えてください
みんなとにかく仕事に対して真っ直ぐで一生懸命なんです。現場等で助けが必要な場合があるんですけど、どうにか解決しようと全員で試行錯誤するんです。家というものは一生に一度の買い物なので、お客様のこだわりが細部に渡ります。そんな時は他部門の人も集まり、「どうしたら期待に応えられるのか」と考えます。そして一生懸命工夫をして、なんとかお客様の願いを叶えようと努力をします。このように社員みんなで必死に考えることができる環境なんです。また誰かが困っていたら自然に人が集まり、サポートに入ります。まだ入社して4年ですが、協調性があり、助け合いの精神を大切にしている会社なので、新しいことに挑戦できるんです。お客様の希望に真摯に向き合えるメンバーなので、とても心強いです。
―小嶋工務店らしさを教えてください
小嶋工務店ってこだわりが強いんです。お客様が今後ずっと住み続ける場所を提供するのが私たちの仕事なので、細部にまで気を使います。小嶋工務店を選んでくれた方々に私たちが造った家に帰ってきたいと思って頂けるように努めています。その中の一つとして、暖かい家造りにこだわりを持っているんです。外部断熱工法を使用し家を囲い、夏は涼しく、冬は暖かい、弊社の言葉でいうと「衣替えをする家」を提供しています。実際にお客様がこれからの人生でずっと暮らしていくことを想像し、そのために必要なことを一生懸命考えました。その上で、お客様それぞれの願いも叶えていきたいと思っています。難しいこともありますが、常に住む人のことを考えて家造りをするのが小嶋工務店だと思っています。
―今後の家作りについての米谷さんの考えを教えてください
これからは長寿命住宅が増えると思います。家を造っては壊してという消費型ではなく、家を長く使っていただき次の世代へ受け継ぐ時にリフォームをし、更に長く住んで頂くのが今後の展開として考えられますね。今ですと、長期優良住宅という言葉も、世の中に少しずつ認知されてきています。私たちは、長期優良住宅のためにメンテナンスも行っているのですが、図面を描くところから長く暮らして頂けるように、そのメンテナンスができるよう工夫をしています。お客様には伝わりづらいとは思いますが、細部にまでこだわった小嶋工務店の家ならお客様のお子さんやお孫さんの世代にまで引き継いでもらえると信じてます。今後私は設計士として、長寿命住宅にする図面を描くという気持ちを大切にしていきます。
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■監修企業からのコメント

株式会社小嶋工務店 代表取締役社長 小嶋智明

噴出し左
お客様、そして環境に真摯に向き合い続けた小嶋工務店。今回お話をお伺いし、『嘘をつきたくない』『お客様にとって本当に良い家を造りたい』という気持ちが小嶋社長からはもちろん米谷さんのお話からも強く伝わりました。創業から50年が経ち、地域に根付く100年企業として歩む小嶋工務店のこれからが非常に楽しみになりました。
■掲載企業コメント

株式会社小嶋工務店 代表取締役社長 小嶋智明

噴出し右
取材を終えた感想
会話のような形で取材が始まりましたが、取材が進んで行く中で弊社のことについて深くまで伺っていただき、改めて小嶋工務店として何を大切に今まで進んできたのか、どのように進んでいくかを考えました。この記事を通し更に多くの方に私たちのこだわりを知っていただけたら幸いです。
株式会社小嶋工務店
代表取締役社長 小嶋智明
1965年 府中新町にて、小嶋工務店創業
1972年 小金井市前原展示場オープン
1974年 屋内ショールームオープン
1978年 立川展示場 2棟出展オープン
1996年 SC宿泊体感住宅(府中)建設
2003年 本社ショールーム リニューアル
2006年 立川第2展示場建替 免震外断熱住宅
      「木暖(モダン)」発表
2009年 長期優良住宅を開始する。
2010年 国土交通省長期優良住宅先導事業に採択
      される。
      多摩ブルーグリーン経営部門にて『多摩の檜で
      造る東京の家』が奨励賞を受賞する。
      長期優良住宅 設計性能評価、建設性能評価を
      推進する。
2011年 多摩ブルーグリーン経営部門にて『多摩の木で
      造る東京の家』が優秀賞を受賞する。
      型式認定劣化対策等級3を取得する。
      戸建住宅全棟多摩認証材(東京の木)を構造材に
      使用する。
2012年 一般社団法人TOKYO WOOD普及協会を設立
      する。
      国土交通省地域型住宅ブランド化事業を採択
      する。
      企業理念を『一生快適に暮らせる家を造る。』
      にする。
      多摩ブルーグリ-ン賞経営部門奨励賞3年連続
      受賞する。
      多摩産材使用率2年連続NO.1
      『建築知識』執筆
2013年 国土交通省地域型住宅ブランド化事業2年連続
      採択
      多摩ブルーグリーン賞経営部門奨励賞4年連続
      受賞する。
      長寿命住宅供給システム認定東京都で初の取得
      (一般財団法人ベターリビング)
      多摩産材使用率3年連続NO.1 
      沖倉製材所・中嶋材木店と天然乾燥に取組む。
      『東京新聞』に掲載される。
2014年 『たまの力』掲載
     長期優良住宅施工250棟突破
     国土交通省地域型住宅ブランド化事業3年連続
      採択
     多摩産材使用率4年連続NO.1
     『ガイヤの夜明け』でTOKYO WOOD普及協会
      が放映される。
2015年 小金井市商工会冊子掲載「躍動する企業20社」
     日刊工業新聞掲載
     「TOKYO WOOD体感モデルハウス小金井」
      工事開始
     国土交通省グリーン化事業 4年連続採択
     多摩産材使用率5年連続NO.1
     小金井市「元気な経営者20選」に掲載
     ヒューマガ掲載
     日経新聞社取材を受けました。
創業年(設立年) 1965年(1968年)
事業内容 ■木造住宅の設計・施工・販売
■トータルリフォーム、バリアフリー工事、インテリア工事、外装工事、
 防犯対策工事、耐震・災害対策工事、メンテナンス工事、
 エクステリア工事(ガーデニング)、他
所在地 東京都小金井市前原町5-8-15
資本金 9,900万円
従業員数 53名
企業URL http://www.k-kojima.co.jp

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