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富士セイラ株式会社 代表取締役 高須 敏行

小さなねじの一工夫で
日本を活性化させたい

富士セイラ株式会社 代表取締役 高須 敏行

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机や椅子、パソコンにスマートフォン、数々の生活に密着するものをつくりあげる時に必ずと言っていいほど使われている「ねじ」。しかしそのねじに意識を向ける人はそう多くない、むしろいないと言っていいほど少ないのではないだろうか。しかし、そのねじに誰よりも意識を向け、圧倒的なこだわりと「一工夫」を凝らし、つくりあげる企業がある。それが今回取材した富士セイラだ。数々の特許を取得するなど、素晴らしい技術を持つ同社。そしてその高い技術力、ものづくりへの想いの力の源となっているのは、社長である高須敏行氏の「日本を活性化させる」という強い想い。本取材ではその圧倒的なこだわりと一工夫、そして日本を活性化させたいという高須社長の強い想いに迫った。

伝統の継承と、未来への挑戦を可能にする革新企業の本質
  • 社風
    冒険を伴う道を行き続ける
    「私は弊社のものづくりで日本を活性化させたいと考えております」そう力強く語る高須社長。そのために常日頃から心掛け、社内に発信していることがあるという。それは仕事を進めていく際に迷ったら困難な道を選ぶこと。目標を達成することは当たり前、どのような目標を立てたのか、またどのような過程を通じて達成をしたのか、そこにこそ価値があると高須社長は考える。「こちらの道に進むと安全に進められるが成果は一般的、もう一方の道に進むと冒険を伴うが成果が大きいかもしれない。そのような場合は迷わず冒険を伴う険しい方を選ぶ、これが我々の進む方向であると常に社員に伝えています」そう語る高須社長。「正直、まだまだ目標の達成について甘い部分はあります。今後も先ほど申したことを常に発信しより良い組織にしていきますよ」日本を活性化させ富士セイラを世界一の企業にすべく、富士セイラは今日も険しい道を選び冒険を続ける。
  • 独自性
    エンドユーザーとの二人三脚
    人気TV番組、「クローズアップ現代」に特集されるばど随一の技術力が光る同社。この技術力を支えるのは、エンドユーザーと密着した姿勢。ここにこそ同社の独自性がある。お客様のニーズを汲み取り、そこで得たアイデアをもとに製品に一工夫を加えていく。そして同社のつくる製品の付加価値をぐっと引き上げるのだ。例えば、お客様からの意見をもとに生まれたのがスマートフォン用の防水ねじ。小さな一工夫の積み重ねは、累計出荷数でなんと約4億本にのぼるほどのヒットを生んだ。そして、この独自性の背景には高須社長の強い想いがある。「高度経済成長期に日本が潤ったのは一工夫してつくった製品を海外に輸出したからなんです。私はその一工夫にこだわって再び日本を活性化させたい」そう語る高須社長。日本を活性化させるため、一工夫の知恵をエンドユーザーから得て、より世に求められる製品を輩出し続ける。
  • 展望
    日本を活性化させるものづくりの架け橋
    「どんなものづくりの会社でも素晴らしい技術を持っています。それを掛け算してものづくりの可能性を広げ、どんなニーズにも応えて供給を増やし、日本の経済を良くしていけると考えてます。そのリードを我々がして、ものづくりから日本を元気にしていきますよ」そう強い眼差しで語る高須社長。
    その未来に向けた強固な土台となっているのは、この20年間の働きかけ。他社との繋がりをつくりを続け、なんと協力会社の数は約600社を誇り、取引する企業数はなんと約1000社にのぼる。「弊社で出来ないことは協力会社に依頼して出来るようにする。技術を買うことも弊社はしています。地場のゼネコンといったイメージでしょうか」と高須社長が語る。こうした取り組みも全てはお客様のニーズに応え続け、日本を活性化させるという高須社長の強い想いによるもの。富士セイラは日本に数多くある素晴らしい技術の架け橋となり、日本のものづくりで日本の活性化を実現していくに違いない。
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「一工夫」を施した同社のネジ
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当然、品質にも一切妥協をしない
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ニーズに合わせた製品は多岐にわたる

日本の活性化への想いに迫る

―高須社長の大切にする考えを教えてください
情けは人の為ならず、この考え方を大切にしています。社員全員、まず自分の為に頑張って欲しいですね。なぜなら、本当に自分の為と考えるのであれば、まずは自分に関わる周囲の人にうまく働いてもらおうという行動に出ますから、結果人の為に繋がっていきます。当たり前の事ではありますが仕事は1人では出来ません。また、「自分の為」を「自分勝手」と考えると周りの人が付いてこなくなり、良い結果に繋がらず、結果的に自分の為になりません。なのでそこの区別ははっきりとつけ、社員一同、自分の為に働いてほしいですね。私はこの考えが皆の心に浸透すればどんな会社でも良いスパイラルでどんどん向上していくと考えています。
―御社の社長になった時のエピソードを教えてください
富士セイラの体質改善の必要性を強く感じました。そう感じたきっかけは、私が引き継いだ当初の富士セイラの保守的な印象ですね。高度経済成長の時は百歩譲ってそれでも良かった。景気は上向いていて、会社が保守的であっても仕事を受けることができ、会社を存続させることができましたから。ですが、時代が変わって、世の需要も減り、会社が保守的なままではいずれ仕事がなくなり、この会社もなくなると感じましたね。そこで目標を明確にし、達成する習慣をつけようと、まずは私が会社の目標を発信し、社員各個人にも目標を立てるように働き掛けました。その甲斐もあって体質はかなり改善されましたが、これからもこの意識を強めていきたいですね。
―若い方々へのメッセージをお願いします
1番になることにこだわって欲しいですね。私自身この気持ちで仕事に取り組んで大きなチャンスをものにしましたから。昔のことになるのですが、以前勤めていた会社で、中国のビジネスが急成長していた時に、人員の公募が有りました。
当時からグローバルなビジネスで、1番になりたいと思っていた私にとって、キャリアアップへのまたとないチャンスでした。中国語を勉強した経験は無かったのですが、この機会を逃すまいと必死の思いで一から勉強し、長期で中国に駐在し、生きたビジネスに触れることが出来ました。その後、仕事も責任も増して、非常に充実した日々を過ごしました。私のこうした経験からも、1番を狙って一生懸命に仕事をした方が、その後の人生をより充実したものに出来ると考えています。なので若い方々には是非1番を目指してもらいたいです。そして人生をより充実したものへとしてもらいたいですね。

KEYPERSON

富士セイラ株式会社 代表取締役 高須 敏行

”人の輪を大切に”
3000年続く企業へ

富士セイラ株式会社 技術管理部 小渕 郷司

実は小渕さんが就職活動をしていた当初、ものづくりにそれほど強い興味があったわけではないという。その中でたまたま富士セイラと出会い、入社を決意。職人が多いという大田区の土地柄、数々の素晴らしい技術を持つ職人と出会い、接していくうちに小渕さん自身もものづくりの世界に引き込まれていった。そしてなにより、富士セイラのものづくりに一工夫を加えるという考え方が刺激となったそうだ。職人としての自身の価値を引き上げ続けることに、やりがいを感じる日々。富士セイラの一員として、その考えを商品に体現することに試行錯誤する日々。その中にある小渕さんの率直な想いを取材で伺っていきたい。

伝統の継承と挑戦の未来を担う社員の思い
  • 入社理由
    富士セイラという環境がものづくりの虜を生んだ
    「説明会に参加するまで何をしている会社かすら知らなかったです」そう当時を懐かしみながら語る小渕さん。きっかけは説明会で「ものづくりの会社」と聞いたこと。「当時僕は専門学校で図面を引く勉強をしていたんです。だから、ものづくりを経験して図面を引けるようになれると良いかなって思っていました」と当時の心境を率直に語る小渕さん。だが入社後、優れた技術を持つ職人さんが多い、大田区という土地柄もあり、心持ちが変わっていく。「何よりものづくりの魅力を感じました。そして弊社の一工夫を大事にする考え方を通じて、ものづくりにおいて自分を表現することにとても面白味を感じるようになりましたね。今では富士セイラでのものづくりに虜です」今や同社の特許製品の製造に携わるまでになった小渕さん。多くの職人さんとの偶然の出会いと、なにより富士セイラとの出会いが、また一人大田区に優秀な職人を育て上げていく。
  • やりがい
    際限なき、こだわりの世界
    ものづくりを行う人の成長には限界がない。それはものをつくりあげるスピードやつくる技術、つくりあげたものの精度にどこまでもこだわりぬけるからだ。成長に際限のないものづくりの世界。そんな環境に面白みを感じ、一工夫を入れ、細部にこだわり続けてることに強いやりがいを感じているそうだ。「弊社の考えとしても一工夫を入れることを大切にしています。つくったものそのものの精度はもちろん、そこに何を加えるかの発想にまでこだわる。そういった富士セイラのものづくりに対する心掛け、職人一人ひとりの想いは、充実した刺激になっていますね、どん欲に成長していきたいですね」そう語る小渕さん。ものづくりへの際限のないこだわりは、きっと小渕さんだけでなく、同社の職人の一人ひとりが持つ想いに違いない。富士セイラのものづくりの姿勢が、小渕さんのこだわる心に火をつけたといっても過言でないだろう。こだわりの中にやりがいがある。それが同社の原動力であるのであろう。
  • 夢
    3000年続く会社に
    「僕は100年、200年じゃなくてもっと1000年、3000年続く会社にしたいんです」そう力強く語る小渕さん。そのために小渕さんが大切にしている考え方が2つある。1つ目はその人ならではの価値を発揮すること。「ものづくりには標準化っていうのがあって、機械をセットするだけで出来る製品もあるんです。でもそこに一工夫加えていきたい。そうすれば富士セイラに頼めば一味違うものが手に入るということでお客様が増えると思うんです。これは弊社の大切にしている考え方ですしね」。2つ目は人の輪を大事にすること。「富士セイラではつくれないものでも、他を探してその会社と協力すればつくれるかもしれません。人の輪を大事にしていると副次的にこういうことを頼める繋がりが増えるんです。これを続けていくことが、富士セイラなら何とかしてくれるというイメージに繋がり、結果、世に必要とされる企業になると思うんです」富士セイラならではの価値を高め、周囲からの信頼を培う。そうすることで富士セイラは未来永劫続く会社となっていく。
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富士セイラの技術を対外に発信
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チームワークの良さが伺える一枚
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一流の職人を目指して

人の輪を大切に

―富士セイラらしさはどのようなところに感じるでしょうか
チームワークの良い会社だと思います。僕自身、人の輪を大事にするというのがとても大事な考え方なのですが、会社としてもそういう考え方があるように感じますね。例えば、営業さんが仕事を見つけてくるじゃないですか。その時に技術としっかりと出来るか出来ないかを相談する。ここで出来ないとなっても業務推進課という部署がそれをできる会社を探して外注してくれる。富士セイラはこうやって、各部署がしっかりと連携して仕事を進めているんです。これが例えば営業さんが無茶な仕事を取ってきて、その仕事を技術に丸投げするようだと、納期が守れないなどの問題が出て、結局社としての信用を失う結果になります。富士セイラはそういったことのない、足並みの揃ったチームワークの良い会社ですね。
―高須社長の印象を教えてください
最初はいつも何かを考えていて、何でも1人で解決する方という印象でした。でも実際の社長はその印象とは全然異なっていたんです。例えば私が悩んでいる時に、自分一人で考え込んでいても答えが出ないと思い、思い切って社長に連絡したんです。そうしたら日曜日にも関わらず社長が工場まで来て話を聞いてくださり、嫌な顔一つせず「分かった」と言ってくださったんです。その時に社長の本当の姿が分かりました。その日を境に社長に相談する機会が増えたのですが、いつも嫌な顔一つせず聞いて下さります。社長がこういった姿勢で社員全員と接しているからこそ、社員が社長の考えに寄り添って、より一体感の強い組織になっていっているのだと思いますね。
―会社の未来に向けて大切にしていきたい考えを教えてください
会社の未来を考えますと、人の輪だと思います。これは何も社内に限った話ではありません。社外でも人の輪を大事にして、出会った方と本音で語り合えば仕事の話も出てくると思います。それがお互いの仕事にプラスになるはずです。仕事のメリットを何が何でも先に考えるのではなく、人の輪を大事にすることをまず第一に考えることで自然と仕事のプラスになるのではないでしょうか。弊社としても、ものづくりの企業様と多くの繋がりを持つことが、弊社のものづくりの可能性を広げることに繋がりますので、こうして人の輪を広げ、弊社の可能性も広げたいです。そうして、弊社を、どこからも必要とされるような3000年続く会社にしていきたいです。
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■監修企業からのコメント

富士セイラ株式会社 代表取締役 高須 敏行

噴出し左
日々の生活でなかなか意識をすることのないねじから日本を変えようとする同社の勢いを強く感じた取材でした。聞けば聞くほど富士セイラ様の取り組みに裏打ちされ日本を活性化させるという言葉の説得力と高須社長、小渕様の強い想いに終始圧倒されました。また、エネルギッシュなことはさることながら、両者ともとてもユーモラスな方で、とても楽しい取材となりました。内容が盛りだくさんだったこともあり、両者のユーモラスな一面を紹介するだけの文字数がなかったのが悔やまれます。今後の活躍を確信させる素晴らしい企業様でした!
■掲載企業コメント

富士セイラ株式会社 代表取締役 高須 敏行

噴出し右
取材を終えた感想
日本を活性化させるという想いを再確認できた良い機会だったと存じております。こういった機会を頂戴致しまして、誠にありがとうございました。今後も日本を活性化させるという目標に向かって、野心を燃やし、邁進していく所存です。
富士セイラ株式会社
代表取締役 高須 敏行
1927年  東京府下大崎町にて大崎螺子製作所を設立。
      電気機器用のねじの制作を開始。
1935年 品川区大井鮫洲に移転。
     (現本社所在地、品川区東大井)
1947年 株式会社に組織変更し、各種のねじ部品を
      本格的に生産開始。
1957年 川崎市南加瀬に川崎工場を建設。
      東京都港区新橋3-7-4赤レンガ通りビル5F
1964年 宇都宮市郊外に芳賀工場を建設し、川崎工場を
      全面的に移転。
      あわせて商号を富士精螺株式会社とする。
1972年 長野営業所を開設。
1977年 日本工業規格表示許可工場(JIS)になる。
      認定番号:377009。
1988年 大田区城南島に工場を建設。
1989年 明石営業所を開設。
1991年 仙台営業所を開設。
1992年 宇都宮営業所を開設。
1994年 仙台営業所を山形に移転し、山形営業所として
      スタート。
      城南島工場を城南島事業所とし、営業部門・購買部門
      を移転する。
1996年 中国昆山市に合弁会社、昆山三基機械電子工業有限公
      司を設立。
1998年 長岡出張所を開設。
      富士精螺株式会社を富士セイラ株式会社に変更する。
      城南島第二事業所を開設。
      FATEC Corp.(比)を設立。
2001年 タイに合弁会社Fuji Shinsei (Thailand) Co.,Ltd.
      を設立。
2003年 中国上海市に埠士国際貿易(上海)有限公司を設立。
      本社、城南島第一事業所 ISO9001:2000認証取得。
2004年 東京営業所を開設。
2005年 芳賀事業所 ISO9001:2000認証取得。
2007年 本社、城南島第一事業所、芳賀事業所、各営業所
      ISO14001:2004 認証取得。
      昆山三基機械電子工業有限公司の合弁を解消し、
      昆山富士先端機械加工有限公司を新たに発足し、
      事業を継承する。
2008年 芳賀事業所内に富士セイラロジスティック・センタ
     (FLC)開設。
      資本金5,716万円に増資。
創業年(設立年) 1927年(1927年)
事業内容 1.ねじ部品及び機械加工部品・治工具・金型関係の製造販売
(1)一般ねじ部品及びスペシャリティー・ファスナー
(2)特殊冷間圧造部品
(3)精密機械加工部品
(4)鍛圧部品
(5)ダイカスト部品
(6)治工具類及びダイカスト金型
2.省力化機器の販売
3.各種表面処理加工
4.その他各種メカ部品の販売
所在地 〒140-0011 東京都品川区東大井1-3-25
資本金 5,716万円
従業員数 93名(正社員)
平均年齢 37.6歳
企業URL http://www.fujiseira.co.jp/index.html

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