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株式会社矢田 代表取締役 矢田靖人

業界の常識に囚われない独自の手法

株式会社矢田 代表取締役 矢田靖人

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時は明治28年、世間では伊藤博文が初代内閣総理大臣の任に就いた頃、産声を上げた企業がある。それが今回取材をさせていただいた株式会社矢田である。同社の創業者はもともと長野県在住、教師として鞭を奮っていた同氏は一念発起して、上京し同社を創業。現在、主軸となっている事業はオーダーメイドカーテンの製造・販売。生地を生産している機屋(ハタヤ)、そして生地をカーテン状に仕立てる縫製工場と直接取引をし、高品質のオーダーメイドカーテンを適正価格で販売するといったビジネスを展開している。また、社長自ら生地を選び、矢田ならではの高品質の製品を提供しているところに特徴がある。今回は4代目社長として会社を受け継ぎ、カーテン業界の常識に捉われずに会社を成長させてきた矢田社長に会社の歴史や今後の展望についてお話いただいた。

伝統の継承と、未来への挑戦を可能にする革新企業の本質
  • 社風
    社員の提案が会社を創る
    社員の意見が会社運営にダイレクトに反映される、それが同社の社風だ。「現場の意見が会社を作る」、その考え方が根源にあり、これまで社員発案のアイディアが複数具現化されてきた。この考え方は先代の頃から大切にしているものであり、売り場の責任者に仕入れの権限を与えていることからもその社風が伺える。なぜこの考えを大切にしているのか。それはお客様と密な関わりを持つ、現場社員の声を反映させることが何より顧客満足につながるからだと考えているからだ。実際に「こうすれば、製品がお客様のニーズに合うのではないか」そのような現場社員からの提案が年に30~40件程度挙がってくるほどだ。また、過去には社員が発案したカーテンがその年の売れ筋NO.1を記録したこともあったという。「自由にモノが言える環境が顧客満足につながっていると思います」と矢田社長。社長が寄せる現場への絶大な信頼、そしてそれに応える社員の力、その融合が同社独特の社風を生み出しているのだ。
  • 独自性
    業界の常識にとらわれない手法で、高品質製品を適正価格で提供
    同社は独自の生地の仕入れルート、そして販売手法を確立することで、高品質製品を適正価格でお客様に提供できる強みを持つ。同社は生地を生産する機屋と直接取引を行うことから、物流に要するコストの削減に成功。さらに着目すべきは販売手法。業界では、「見本帳」と呼ばれるカタログ冊子に生地そのものが貼り付けてあるツールを使用して商談することが一般的。お客様はそれを見て発注するのである。そのような慣習の中、同社は業界の常識を打ち破り、見本帳を使用せず、お客様に直接来店していただき、製品を選んでもらうスタイルを確立したのだ。これにより高品質の製品を適正価格でお客様に提供することが可能となっている。また、見本帳を使用しないことにより、見本帳そのものの高額な費用や見本帳に存在するすべての製品の在庫を抱えておかなければならない在庫保有コストの削減に成功。加えて、社長の目利きにより厳選した質の良い生地のみを店舗に並べることにより、同社の魅力を光らせることにつながった。このようにして、矢田ならではの高品質な製品を適正価格で提供することができるのだ。
  • 展望
    「原点」のスタイルを大切に、更なる拡大へ
    矢田社長が描く展望は、更なる拡大。神奈川県のみならず関東に店舗展開を行うこと、さらにはオーダーメイドカーテンだけにとどまらず、「ホームテキスタイル」と呼ばれる分野で事業拡大していきたいと考えている。「ホームテキスタイル」とは、住居にまつわる織物や布地のことを指しており、寝具や絨毯等、その領域は幅広い。また、今後更なる拡大を目指す上で、矢田社長には譲れない思いがある。それは、製品を自分達で製造し、自分達で販売することで徹底的に品質にこだわった製品を提供することである。だからこそ同社の原点である「製造小売」というスタイルは変わらない。これからも生地の産地と直接の関係性を持ち自分達で生地を選び、製品を作っていく。それゆえ品質という観点で、他社と差別化された矢田ならではの製品を提供していく。「製造小売」という原点に磨きをかけながら、同社は更なる拡大を続けていく。
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社内での円滑なコミュニケーション
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社長とも近い距離で仕事ができる
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品質にこだわったオーダーカーテン

“原点”を大切に、未来に向けた舵取りを担う矢田社長の考え

-貴社が更なる発展を遂げるために力を入れていきたいことを教えてください
一度ご来店いただいたお客様にリピーターになっていただけるよう、今以上に製品開発、接客に力を入れていきたいと考えています。私達は主に住宅で使用する製品を取り扱っているため、どうしても住宅の供給量にマーケットが左右されます。その中で安定した業績を保つために、当社のファンになっていただけるお客様作りを大切にしてきました。そして、1店舗目を出店してから13年が経過した現在、「カーテンの品質や接客対応が良かった」など、買い替え頻度が7~10年と言われる業界において、初期のお客様がご来店していただける比率が増えてきました。今後店舗展開していく中で、どの店舗でもリピーターとなっていただけるお客様の比率を向上させていきたいですね。
―矢田社長の「人材」に関する考え方を教えてください
やはり会社の成長は「人」の力だと思いますので、人が財産ですね。人が入社し、社内で育成する仕組みがないと、永続的な発展は見込めないと思います。当社では人材の採用と育成に力を入れていることも特徴の一つです。特に新卒採用は継続的に行っており、今では店舗の責任者を務める社員も誕生しています。また、現在5店舗を展開しているということもあり、複数店舗を統括するポジションや、本部配属になるというキャリアも存在することから、その方にあった多種多様なキャリアステップを踏んでいけると思います。こういった環境を創造し、人がどんどん育つ会社にしていきたいと思います。
―新卒採用に力を入れていらっしゃいますが就職活動生へメッセージをお願いします
社会に出たら、物事や事象に対して可能性を見出せる人材に成長してもらいたいと思います。どういうことかと言うと、社会に出たら、やりたい仕事を任されることもあれば、そうでない仕事を任されることもあります。実力を付けるまで自分で仕事を選ぶことはできません。さらに中小企業となると、自らの意思を実現しやすい環境がある反面、基本的には用意されたステージで勝負するのではなく、自ら環境を創っていく必要があります。そういった中で、やりたくない仕事でも、目的や成果を考えてより高い成果が出るように可能性を見出す選択をすることができたり、何も揃っていない中でも自分で可能性を見出して決断していけるような人に成長をしてもらいたいと思います。

KEYPERSON

株式会社矢田 代表取締役 矢田靖人

自分の力で会社を動かす

株式会社矢田 営業支援部 宮西孝之

創業120年以上の歴史を誇る株式会社矢田で働く社員の平均年齢は20代。多くの老舗企業では社員の高齢化が進む中、同社は近年若手の採用に力を入れており、会社の若返りが進んでいる。その期待の若手の1人である新卒入社3年目の宮西さん。入社してから店舗での個人への接客販売はもちろん、法人に対する営業活動も行ってきた。店舗での接客販売では、お客様の求めるものを汲み取り、プロとしての提案を行ってきた。法人営業では、ハウスメーカー等に足を運び、住宅の購入者がカーテンファクトリーに来店してもらうための販促物設置の交渉をするなど、お客様が来店するきっかけを作るという仕事を行ってきた。現場の第一線で働く宮西さんに、若手から見た「株式会社矢田」、そして自身が担う仕事のやりがいなどをお話いただいた。

伝統の継承と挑戦の未来を担う社員の思い
  • 入社理由
    お客様とのつながりを通して、自分を成長させることができる環境へ
    自分自身の力が会社に大きな影響を与える、そんな環境で仕事に勤しみたかったと語る宮西さん。大企業に入社し、何千分の一として働くことよりも、30数名の会社で働くことが自分の成長につながると考えたのだ。そういった思いがある中で始めた就職活動、そこで出会ったのが同社である。「1人の力がお店を動かす力になる」というメッセージに惹かれて入社を決意したのだ。また、宮西さんは接客業に対しても興味を抱いていたことも、同社を選んだきっかけの一つ。学生時代はガソリンスタンドや居酒屋のアルバイトの経験を通じ、接客業の醍醐味である、お客様と触れ合うことで得ることのできる喜びを知った。同社には毎日複数のお客様が訪れる。自分の接客一つで店舗へ訪れるお客様の表情が明るくなる。自分自身が就きたかった職業である接客業、そして自分の力で店舗を、そして会社を動かすことができる環境、この二つが大きな要因となり、宮西さんは同社への入社を決意したのだ。
  • やりがい
    お客様の笑顔、それが一番のやりがい
    宮西さんの仕事をする上での一番のやりがいは、店舗に来店されたお客様の笑顔作りである。店舗には毎日お客様が複数訪れるが、「こんな色の、こんな柄のカーテンがほしい」、そういった明確なイメージを持ってご来店されるお客様は希だという。つまり、ぼんやりとしたイメージを持ってご来店されるお客様が大半なのだ。そういったお客様に対して製品のご案内やそれぞれの用途やお客様のイメージをお伺いし、積極的な提案行う。「自分が提案したものをそのまま選んでいただき、すごく喜んでくださったお客様がの笑顔が非常に印象に残っています」、そう話す宮西さんの笑顔が印象的であった。そのお客様にはカーテンの他にも部屋のブラインドの提案を行い、お客様が満面の笑みでご帰宅されたという。お客様のぼんやりとしたイメージを具現化すること、そして時にはプロとして積極的に提案を行うこと、そういった姿勢がお客様から評価されているのだ。その結果がお客様の笑顔を生み出し、宮西さんのやりがいに繋がっている。
  • 夢
    自店舗の発展、そして事業拡大の一翼を担う
    近日中に店長代理に昇進する宮西さん。そこで新たに掲げた目標は、「より多くのお客様に愛されることによる、更なる売上のアップ」というもの。自ら接客、販売をするのみならず、店舗全体の売上に責任を持つことや、後輩の育成など、任される仕事の領域は幅広く、責任も大きく増すポジションである。いわゆる“店舗マネジメント”が宮西さんの新たなミッションとして加わるのだ。また、宮西さんの目はさらに先を見据えている。店長代理、そして店長と店舗でステップアップしていく先には、本部において複数店舗をマネジメントに携わっていくこと等、会社全体を動かすポジションを担っていきたいという思いを持っている。入社3年目にして、責任あるポジションを獲得した宮西さん。それは日々の弛まぬ努力の結晶である。これから歩む道も決して楽な道ではないだろう。しかし、そういった成長環境を自ら選んだ宮西さん。自分自身の糧になることはもちろん、新卒採用に力を入れる同社の一つのキャリアモデルとなるであろう。
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商品を並べる宮西さん
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女性も大活躍
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当社ならではの接客

著しい成長を遂げる、若手社員から見た株式会社矢田

-会社の良いところや雰囲気を教えてください
私が感じる当社の良いところは、少数で会社を運営しているため、一人ひとりの行動が大きく結果に反映されるということですね。やっている行動が会社にとってプラスになるということが目に見えて分かるので、働いていて楽しいです。自分自身がどれだけ会社に貢献できたということが一目瞭然で、とてもやりがいがあります。また、これも少数で会社を運営していることに起因するのですが、社長との距離が近いということも当社の良いところだと思います。言いたいことを言える環境を社長が作ってくださっていることもあり、自分が「こうした方が良い」と感じたことがすぐに提案できます。社長も積極的に全店舗に顔を出していただけるので、社長と社員の距離が近い会社だと私は感じます。
―宮西さんが感じる同社ならでは接客の姿勢を教えてください
会社は、接客業としての規律を重んじながらも、各々が個性を活かして自由に仕事に取り組んでいると感じます。やはりお客様も千差万別ですので、そのお客様に最適な接客を各々が各々のスタイルで毎回追求していく必要があります。例えば、カーテンの販売方法等、多くの他社ではマニュアルのような形式がある印象を私は感じていますが、当社では最低限の決まりしかなく、各々が考えて個性を発揮しながら接客ができます。また、働く社員同士の年齢が近いということもあって、切磋琢磨しながら、カーテン販売のプロとして、それぞれが個性を活かした接客を行っているのも弊社ならではの特徴ですね。
―宮西さんから見た、同社ならではの取り組みを教えてください
店舗内にカーテンを実際に使用する際に、どの程度光を遮断できるのか、製品の遮光を判断する上でのテストコーナーがあることや、製品を壁紙や床と合わせることができるテイスティングコーナーという場所が店舗にあることですね。お客様がその場で製品を試すことができるというのは、おそらく当社しかないと思っています。また、移動ショールームという直接お客様の自宅まで伺ってその場で製品を選んでいただくというサービスを行っていることも特長の一つです。大型のインテリアショップやホームセンターにはない、当社ならではの取り組みだと思います。当社は新しいことに挑戦していく文化を持ち合わせているので、今後も他社ではやらないことに挑戦していきたいと考えています。
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■監修企業からのコメント

株式会社矢田 代表取締役 矢田靖人

噴出し左
今回の取材を通じて、矢田社長の強い思いをお伺いし、1つ1つの言葉に力強さを感じました。多くのお客様に感動を与えているオーダーメイドカーテン。今後は神奈川県を超えての店舗展開になるとお聞きして、より多くのお客様にカーテン選びの楽しさを提供していき、今後の貴社の展開にとてもワクワクした気持ちになりました。今回はお時間をいただきまして、ありがとうございました。
■掲載企業コメント

株式会社矢田 代表取締役 矢田靖人

噴出し右
取材を終えた感想
今回取材を受けて、改めて会社の歴史を振り返ることができました。
創業当時の思いを後継に伝えていきながら、多くのお客様に喜んでいただけるようお店作りをし、事業拡大をしていきたいと思います。
株式会社矢田
代表取締役 矢田靖人
1895年 東京都神田にて「矢田ふとん店」として創業
1916年 合資会社に改組
1950年 川崎市堀川町(現:川崎区駅前本町)に移転
1965年 旧本社ビル竣工、株式会社に改組
1991年 矢田インテリアサービス(株)(内装工事業)設立
1998年 オーダーカーテン専門店「カーテンギャラリー」オープン
    矢田インテリアサービス(株)
    オリジナルカーテンの製造を開始
2002年 本店(寝具店)の営業終了、寝具販売から撤退
    本社機能を川崎市高津区に移転
    1万円オーダーカーテン専門店
    「カーテンファクトリー高津店」オープン
2003年 カーテンファクトリー泉店オープン
2004年 「カーテンギャラリー」を閉鎖
    オーダーカーテン事業を「カーテンファクトリー」に集中
2005年 カーテンファクトリー横浜店オープン、ブランドロゴを一新
2006年 カーテンファクトリー洋光台店オープン
2009年 インターネット通販サイト「e-カーテン楽天市場店」オープン
2010年 新大型店舗カーテンファクトリー港北店
    「グランドショップ」をオープン
2011年 高津店を「グランドショップ」として増床リニューアル
2014年 「移動ショールーム」オープン
2015年 「新五か年計画」をスタート
創業年(設立年) 1895年(1965年)
事業内容 オーダーカーテンの企画・製造・販売、卸売
首都圏最大級のオーダーカーテン専門店『カーテンファクトリー』の運営
カーテン専門インターネット通販サイト『e-カーテン』の運営
所在地 神奈川県川崎市高津区二子6-14-10 YTTビル1F
資本金 1,300万円
従業員数 38名
男女比 3:7
平均年齢 29歳
企業URL http://www.yada.co.jp/

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