DENTOU TIMES

株式会社佐藤電機製作所 代表取締役 佐藤喜行

今まで培った“人”の技術と
最新鋭の“設備”を駆使して新しい価値創造へ

株式会社佐藤電機製作所 代表取締役社長 佐藤喜行

今回取材をさせて頂いたのは板金加工の設計から組み立てを行っている、佐藤電機製作所だ。同社は電機計測器の修理からその歴史をスタートさせ、時代の変化に伴い現在の事業へと変化を遂げてきた。培ってきた技術力を生かし現在も尚、医療業界・インフラ業界・通信業界・エネルギー分野と多岐に渡って活躍のフィールドを広げている。その同社の製品は超音波診断装置や検体分析装置などの医療機器や電力会社の制御盤、郵便局で使われている郵便仕分機等、普段はなかなか目にする事のないものだが、実は我々の生活を陰ながらにも支えている製品ばかりである。今回は同社の佐藤社長と、次期後継者である佐藤常務にお話をお伺いし、今までの歴史から今後の目指すべき未来についてお話をお伺いした。

伝統の継承と、未来への挑戦を可能にする革新企業の本質
  • 社風
    一人ひとりのプロ意識
    同社はモノづくりの企業として、社員一人ひとりがプロ意識を持ち、安定した品質の製品をきちんと納期通りに送り出す事にプライドを持って取り組んでいる。同社では短納期で複数のお客様の製品を仕上げなくてはならないことも少なくない。そんな時でも各作業工程毎でのリーダーを中心に一致団結し、各人が非常に高い集中力で作業を進めて行く。普通であれば3ヶ月近くかかるものであっても、同社ではその半分の納期で作業を完了させた事もあったという。 このようなことを実現させている背景には毎週、改善会議を行い、より生産性を高める為には何が必要かと常に現場で議論しているからだ。時には議論が熱を帯び、主張が対立し口論になってしまうこともあるという。しかしその根底にはモノづくりのプロとして、お客さんに対してさらに価値を出したいという共通の想いがあってこそなのだと感じた。プロとしての在り方にこだわり続ける社風、それが今日までの佐藤電機を支えている。
  • 独自性
    ”機械”と”人の技術”の融合
    同社の強みは「最先端の機械設備」と「それを使う職人の技術力の高さ」である。元々この板金業界というのは、職人の技術力によって発展してきた部分が強いが、同社では先代社長の時代である40年前から最新の機械設備を導入し、現在に至るまで非常に高額な機械設備を導入し続けてきた。その背景としてモノづくりにおいて設備は何事にも変えられない心臓部であるという先代からの考えがあるからだ。ただ、どんなに最新鋭の機械設備を持っていても100%の活用が出来なければ、宝の持ち腐れとなってしまうが、『うちの職人はその最新鋭の機械設備の力を100%以上引き出せている』と佐藤社長は自信を持つ。力を引き出すとはいかに機械設備の稼働率を最大限に上げる事だ。同社の職人は機械設備の構造や性能をきちんと把握し、その上で同社においてのベストな活用方法を考え抜き実際の運用へと繋げている。その結果、機械設備を販売しているメーカーの担当者でさえも驚く程、高い稼働率で機械設備を活用する事ができているのだという。
  • 展望
    本業の成長と他分野への発展
    今後、同社がより発展していく上で力を入れていくことは『本業をより伸ばしていくこと』だと佐藤社長。本業の板金の加工や組み立ての事業を伸ばしていく上で、今後必要不可欠なことは職人の”多能工化”だという。多能工化により、製品作りの上流工程から下流行程までを一人の職人が完結出来る機能を持てる様にすること。現在同社の案件では”多品種小ロット”の製品の案件が大半を占める様になっており、その様な状況においては一つの製品を役割分担して流れ作業で進めるよりも、一人の人間で全てを完結してしまった方が生産効率は高い。ただ、その為には各人がいくつもの技術を習得することが求められる。同社の現在の製造工程はおおよそ、型抜き・折り曲げ・溶接・加工・検品で担当が別れている。その一つ一つの技術を習得し、一人前になるには2〜3年はかかるもので、その全てが出来る様になるのは容易ではない。だからこそ将来的に他社との差別化にも繋がっていくと佐藤社長は考えている。職人を育成し、自社にしか出来ないモノづくりを同社は行っていく。
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生産拠点となる山梨工場
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最新鋭の設備が並ぶ工場内部
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複雑な構造の医療装置

佐藤社長に伺ったこれまでの成長の要因と今後の未来

-一貫して設計から組み立てまで出来る様になった背景を教えて下さい
設計から組み立てまで出来る様になったのは提案型企業になりたかったからです。ただモノを作って納品するのではなく、お客様にとってこういうモノを作った方が良いという提案が出来るポジションでありたかったんです。提案の段階で設計図を持ってこうしましょうと言える様になる為、社として猛勉強し、設計図が描ける様になりました。今、この業界では設計図を書く人と実際にモノづくりをしている人が異なるケースがほとんどです。その為、書いた設計図が"絵に描いた餅"になってしまう事も少なくありません。その点、我々はモノづくりに精通している人間が設計図を書く事で重要なポイントを見極める事が出来ます。それが実際の作業工程で無駄を省き、結果的にお客様のコストダウンに繋がっています。
―自社の一番の優位性を教えて下さい
あまり詳細については詳しくはお話出来ませんが、やはり自社の一番の優位性は機械設備だと思います。ただ、当たり前だと思いますが、最新鋭の機械設備が入っている事が優位性なのではなくて、それをいかに使いこなす事が出来るかが一番重要です。我々には今までにも常に新しい機械設備に対してチャレンジしてきた経験とそこから学び取ったノウハウがあります。それを生かしてまた新たに入ってきた機械設備が持っている性能をフルで使いこなす事ができていると思います。これも社員が常にどうしたら生産効率を上げられるかについて考えて追求してきた賜物だと思います。
―次世代を育成する上でどのような取り組みをされていますか
多能工化に向けて、モノづくりのプロである専務が半年前くらいから、板金講座というものを実施しています。単に板金といっても扱う素材が多数存在します。鉄・アルミ・ステンレス、またその各金属の中でまた何種類にも分かれています。この各素材の特徴や作業を行う上で注意しなくてはいけないポイントであったり、発注して頂いている各お客様の要望を満たす為の注意点等について勉強が出来る機会を提供しています。業務時間内はどうしても各人が作業に没頭してしまう為になかなかその作業に関わる事以外を先行して教えることが出来ないのですが、この様な取り組みを通じて若手の足りない経験や知識を補っています。参加は有志ですが数多くの若手が参加してくれているので、今後の活躍が楽しみですね。

KEYPERSON

株式会社佐藤電機製作所 代表取締役 佐藤喜行

社員が働きやすい環境を創っていきたい

株式会社佐藤電機製作所 常務取締役 佐藤薫宏

今回お話をお伺いした、次期後継者の佐藤常務は主に同社の営業面を担っている。同社では限られた少数精鋭のメンバーでの営業活動を行っており、その一人ひとりが持っている数字が経営に直結している為に大きなプレッシャーを背負っている。その中で佐藤常務はその誠実な人間性とモノづくりの現場を通して培った専門性を通じて、今までにいくつもの新規顧客を開拓してきた。時には同じ顧客に対して何十回も足を運び、受注を獲得した事もあったという。幾多の困難を乗り越えてきた佐藤常務に営業マンとしてのあり方や、大切にしている考え方、今後の会社の未来を担っていく人間としての考え方についてお話を伺った。

伝統の継承と挑戦の未来を担う社員の思い
  • 入社理由
    最初から決めていました
    『父がこの佐藤電機製作所という会社を経営していたので、幼い頃から当たり前に入社するものだと思っていました』と佐藤常務。実際にどんな事をしている会社かと、理解したのはある程度物心がついてからだというが、同社に入社し、後々この佐藤電機製作所の経営者になる事は幼い頃から祖父や父が懸命に働く背中を見て育ったことで既に決めており、他の道については考えもしなかったそうだ。もちろん経営が簡単でないことは百も承知ではあるが、今まで60年以上紡いできた歴史を自分自身で閉じる事は出来ないという想いも一方で抱えていたであろう。同社に入社してからは、まず現場を理解する為に同社の山梨工場へと配属された。『現場の事も何も分からない中で、当時の直属の上司に当たる職人にはかなり熱心に指導して頂きました』と当時を振り返る佐藤常務。その当時の現場経験があるからこそ、お客様からの意見をただ鵜呑みにするのではなく、より良いと思える部分があれば積極的に提案するという現在の営業スタイルを確立している。
  • やりがい
    会社の未来を創っていく為に
    今、佐藤常務の大きなやりがいとなっている部分は顧客の新規開拓であるという。 今まで同社において大きな売上を占めていた大量生産の製品がコストの関係で少しずつ海外に生産拠点を持つ他社に流れていったこともあり、同社が今後成長発展していく為には新規の顧客開拓が必要不可欠である。まさに会社の未来を担う営業活動に大きなプレッシャーを感じながらも、それ以上に自社の製品や技術を認めてもらう営業活動に大きなやりがいを感じている。そんな佐藤常務が新規開拓の営業活動を行う上で大切にしている考えは“凡事徹底”。お客様とした約束を必ず守り、お客様にとって誠実であり続けることで、まずは自分という人間を信頼してもらう事に非常に重きを置いている。それがあった上での技術や製品だ。つい先日もその誠実さが実り、数年通い続けていたお客様から初めての取引にも関わらず同社では異例の5000万円以上の取引となった。佐藤常務はその誠実さを武器に今日も会社の未来を創っていく為にお客様の元へと足を運ぶ。
  • 夢
    社員が一番の財産
    『何よりも社員にとって働き易い、人間関係が良好で、何かあったら助け合うことの出来る一致団結したチームの様な会社を作っていきたい』と佐藤常務は語る。その為に最も重要だと考えているのは”コミュニケーション”だ。モノづくりの会社として、目の前の業務に集中することが多い為に同社では社員同士で仕事上必要なコミュニケーション以外を取ることはどうしても少なくなってしまう。また、そういうコミュニケーションの機会が減ると、働く職場の仲間への興味関心が自然と薄れていってしまうものだ。そこで同社ではコミュニケーション量を増やしお互いを理解し合う為にも、数年前までは行っていなかった社員旅行にも佐藤常務の発信で行く様になった。『今後はさらに社員旅行だけでなく忘年会や様々な企画を通じて社員の皆様が語り合い、より会社を好きになってもらえる様なきっかけ作りをしていきます』と佐藤常務。高い技術力を持った職人集団でありながらも、一致団結したチームの様な会社を目指す同社の将来が実に楽しみである。
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3DCADを駆使した設計
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最新型のレーザー複合機
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技術を求められる溶接工程

社長、経験から学んだ事を生かして未来へ

-社長の尊敬するところを教えて下さい
それは機械設備投資の判断ですね。我々の会社に入っている機械設備は本当に高額のモノばかりです。正直、経営が厳しかったタイミングもあったと思いますが、それでも先行的に設備投資を行っていました。今となってはその判断が正しかったと言えるからこそ、この会社が継続しています。もし誤った判断であれば、もう会社が無くなってしまっていた可能性もありますからね。経営者が最終判断を下す立場であるというのは当然ですが、今までの社長の判断は的確で尊敬しています。後は専務という会社を共に支えていく右腕と共に、多くの苦労もあったと思うんですけど、ここまで会社を作り上げてくれたことですね。私も個人としてだけでなくチームとしても、今後の会社を支えていきたいと感じています。
―印象に残っているエピソードを教えて下さい
今も生きている経験だとこの会社に入社して数年経った後に、当時の一番の取引会社であった某大手メーカー様の工場に勉強させてくれという形でこちらから志願して出向させていただいた経験ですね。そこは生産管理の部署だったんですけど製品に対する納期を管理する立場だったので、協力会社さんに対して納期を督促する様な今までと全く逆の立場になっての仕事を体験する事が出来ました。自分達の製品はメーカーさんが製品を作る上での一部分ではあるのですが、その後にどんなフローでメーカーさんの製品になっていくか分かり、非常に勉強になりました。何事も相手の立場に立って考える重要性を再認識しましたし、その時にお世話になった方々の人脈というのが今も仕事に繋がっているところがあります。
―社員の皆様へメッセージをお願いします
全ての社員の皆様に、目標を持って働いて欲しいと思っています。もちろん、ポジションや職種に応じて異なる目標で良いと思いますし、事務系職の方は目標を立てづらいとか、色々あると思うんですけど、どんな小さなものでも良いのでまずは目標を持って頂きたいです。今はまだはっきりと言えませんが経営側としても個々の目標が実現出来る様なフィールドをこれから準備していきます。立てた目標を達成していくプロセスの中で、自己実現や自己成長を実感して頂いた上で、最終的には会社に対して何らかの価値発揮してもらえれば良いと考えています。せっかくご縁があってこの会社に入社して頂いているので、働く社員の皆様にとって本当に入社して良かったと思える様な会社を一緒に創っていきましょう。
■監修企業からのコメント

株式会社佐藤電機製作所 代表取締役 佐藤喜行

噴出し左
取材を通して、佐藤社長と常務の社員様への愛情とモノづくりをしているもののプライドを感じる事が出来ました。また、積極的にチャレンジしていく姿勢を持ち合わせた同社は今後も様々な分野へと活躍を広げていくと思います。
今後の佐藤電機製作所様にぜひご注目ください!
■掲載企業コメント

株式会社佐藤電機製作所 代表取締役 佐藤喜行

噴出し右
取材を終えた感想
この度は当社を取材して頂きまして、誠にありがとうございました。取材を通して改めて会社の歩みを振り返る良い機会となりました。今この業界は変化を求められています。 今回お話した今までの想いを大切にしつつ、しっかり未来を見据えて頑張っていきます。
株式会社佐藤電機製作所
代表取締役 佐藤喜行
1951年 初代社長佐藤義忠が測定器類の製作
     組立配線を個人事業として開始
1959年 三鷹市中原に工場を新設
1961年 法人組織として有限会社に移行
1980年 山梨県石和町に工場を新設
1987年 佐藤喜行社長就任 株式会社に組織変更
1989年 山梨県山梨市に新工場を建設
2001年 ISO9001取得
2004年 山梨労働局長奨励賞受賞
2008年 東京都より経営革新計画承認
2011年 東京都BCP策定支援事業35社に選ばれ
     BCP(事業継続計画)策定完了
創業年(設立年) 1951年
事業内容 筐体、シャーシ、フレーム、カバーの板金プレス加工および組立 バッテリー、整流器、AC/DC、DC/DC
所在地 東京都三鷹市中原3-1-53
資本金 2000万円
従業員数 56名
企業URL http://www.s-d-s.co.jp/index.html

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