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株式会社日本レーザー 代表取締役 近藤 宜之

「人を見た経営」で
社員一人ひとりが活躍する企業へ

株式会社日本レーザー 代表取締役 近藤宜之

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レーザー機器、光学機器の専門商社として、1968年に創業した日本レーザー。第1回「日本で一番たいせつにしたい会社」の大賞受賞をはじめ、多くの表彰を受けてきた企業だ。数々の表彰の背景にあるのは、社員それぞれの力を活かし会社を成長させる優れた取り組みだ。その一端を紹介すると、全社員の出資によって親会社から株を買い取って独立し、社員一人ひとりに経営者としての感覚を持たせることや、高齢者や女性など様々な人材が活躍できるダイバーシティ経営の実践、パソコンや英語力など仕事に必要な能力を評価項目に取り入れた評価制度の構築などが挙げられる。今回の取材では、1994年の着任以来、日本レーザーを率い、導いてきた近藤社長に、同社が目指すべき経営の在り方、組織の在り方について伺った。

伝統の継承と、未来への挑戦を可能にする革新企業の本質
  • 社風
    社長が率先して作り出す、究極にフラットな社風
    「社長、あの件は、こうすべきだと思います」 そんな声がたびたび聞かれるように、社長に対しても活発に意見が挙がるのが同社の社風だ。同社の社風は、近藤社長が大切にする「中小企業の企業風土は100%社長で決まる」という考えのもと、近藤社長が率先して積極的に笑顔で社員の話を聞くことを心掛け、行動してきた結果、形成されたものであるという。 特徴的なエピソードを挙げれば、ある時、一人の社員が「会社をクビになっても構わない」という覚悟で、あえて、経営会議で社長の方針について問いただしたことがある。社長や幹部から白い目で見られる可能性のある行動だが、近藤社長は「社長自身の考えを改めて語る機会ができた」と褒め称え、感謝の意を伝えた。 そうした社長の異例とも言える行動の積み重ねによって、社員の誰しもが、直接顔を合わせる会議の場や顔を合わせない社内のイントラネット上において、上に対して率直に意見を言える環境が形成されたのだ。そして社長も決して怒らずにニコニコと、社員の発信を褒める。究極に風通しの良い社風だ。
  • 独自性
    ビジネスモデルと社風に基づいたオンリーワンの人事制度
    日本レーザーの独自性は、日本レーザーの風土、ビジネスモデルを踏まえ構築されたオンリーワンの人事制度だ。近藤社長が「日本の中では別格」と言う通り、労務の専門誌で何度も特集が組まれるほどの制度を構築し、社員は自身の処遇について高い納得感を持ちながら働いている。 その人事制度を創り上げた背景には、ニッチな市場で勝ち抜くための緻密な戦略があった。収益性を高めるには、少数精鋭で、社員一人ひとりがモチベーション高く働ける組織である必要があったのだ。 同社の人事制度の一つの特徴は、社員に求めるスキルを評価の指標の一つにしている点。例えば役職者への昇進にTOEICでの点数が条件の一つとなっているのも、海外のメーカーと取引する同社ならではだ。 留学経験のある社員は少ないが、TOEICのスコアが900点以上の社員が2割、800点から900点のスコアを持つ人間が4割に増えるなど、社員の英語力の向上はめざましい。これからもビジネスモデルと密接に結び付いた制度で社員の成長を後押しし、少数精鋭の集団へと成長していく。
  • 展望
    会社の存続・発展のため、後継者の人材育成と事業展開を行う
    会社の目的は人を雇用すること。それが日本レーザーの考え方だ。 今、日本レーザーは、雇用する場としての会社を存続させ、より発展させるために、大きな転機を迎えている。 一つは近藤社長の勇退を見越しての事業承継だ。数年後の事業承継を見据え、後継者を育成するために、常務の1人を経営大学院に送り込み、経営者としての経験を積ませている。 また、事業拡大と経営リスクの分散を目的に、事業の多角化を推進。海外メーカーの国内販売代理店という今までの戦略に加え、お客様の購買機能を代理店として担う事業、輸入品を組み立て、日本レーザーブランドとして販売するコンポーネント事業。そして、現在でも売り上げの3割を占めるレーザー関連商品のカタログビジネス。さらに、海外にある工場を自社工場に見たて、同社がOEMを受注するOEM事業、合せて5つの事業を構想している。組織・人事制度に加え、事業面での環境を整え、今まで以上に多様な人材が活躍できる会社を目指していく。
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輝かしい受賞歴
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歓談スペースをつかっての懇親会
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社長と社員の距離が近いのも同社の特徴

唯一無二の企業を創り上げた近藤社長に聞いた中小企業経営論

-経営する上で大切にしている考え方を教えてください
お金ではなく、「人を見た経営」をきちっとすることです。上場企業は株主がいますから、利益を上げることを第一に考えないといけません。だから、人、もの、金、情報の4つを同格に並べて、利益を出すために人を切るということもします。1人2000万円、100人切れば20億円という風に。一方で、中小企業が勝ち抜いていくためには、社員一人ひとりの付加価値を高めて利益を出していく必要があります。考え方としては、人が上にあって、もの、金、情報がある三角錐なんです。もの、金、情報を生かすのは全て人なんですよ。ですから、社員一人ひとりが効率的に生産性高く仕事ができるように、常に、社員のモチベーションを高く保ち、月曜日に「よし今週も頑張ろう」と出社できるような環境を作ることを大切にしてきました。
―「人を見た経営」をするという経営哲学を持つようになった背景を教えてください
日本電子で28歳の時に労働組合の委員長になった時に、少数派の組合がストライキを起こして、他の従業員がオフィスに入れないように見張りを立て就労を妨害したんです。少数派が就労妨害を行うことは違法で、自分たちは仕事をする権利があるからと見張りを破って会社に入って、結果的にみんなが就労することができたんです。文字通り、身体を張って会社を守りましたね。 ところが、翌年に石油危機が起こりました。日本電子もそのあおりを受け、人員整理に踏み切った。私は組合の委員長として、前年に身体を張って会社を守った人たちを解雇しなければならなかったんです。その時に、労働組合では雇用を守れないと痛感しました。だから経営者として雇用を守る、人を解雇しないという考えに立って経営をするようになりました。
―人事制度をはじめとした取り組みの結果、どのような成果が上がっていますか
離職率はかなり低いです。日本電子の子会社だった頃は、プロパーの社員が独立して、取引先のメーカーと日本支社を立ち上げるなど、離職が多い会社でした。今では新卒もなかなか辞めないですし、女性が妊娠出産を機に辞めた例もありません。もちろん、本人自体が「退職したい」と思っていれば、辞めてもいいんです。次長経験者で普通に定年で辞めている者もいます。 制度を整え、企業風土を改善し、自己完結できる仕事を与えることを続けてきた結果、社内にはロールモデルになる人もいるし、社員が自ら成長し、働く喜びを感じられる会社になりました。今の当社は、社長の力が会社を伸ばす段階から、社員の力が会社を伸ばすというもう一段上のステップへとレベルアップしているところです。

KEYPERSON

株式会社日本レーザー 代表取締役 近藤 宜之

前例がないことをしたい

株式会社日本レーザー 計測機器部 谷口透

同社に中途として入社し、現在5年目を迎え営業担当としてご活躍されている谷口さん。同社は数々の受賞歴を誇り、中小企業の経営のロールモデルとして雑誌、webサイトへの掲載数も数知れない。その中で谷口さんが何を感じ、いかに業務にあたっているのかを伺ったところ、そこで分かったのは同社の素晴らしい体質や、谷口さんののびのびと自己実現に向けて邁進する姿だった。本取材ではそれらについて紐解き、谷口さんは日本レーザーという環境の中で何を感じ、どのような想いで業務に取り組んでいるのかについて迫った。

伝統の継承と挑戦の未来を担う社員の思い
  • 入社理由
    意見の通るフラットな環境
    以前は大企業に所属していたという谷口さん。海外で活躍したい、その想いを持ってその企業に入社したのだが、そう上司に伝えど、なかなかチャンスは巡ってこなかったという。「上司に状況を聞いても返ってくる返事はいつも同じで、いつ自分が海外に行けるか分からない日々でした」そう語る谷口さん。自分の意見が通らずもやもやした日々を過ごしていた際、出会ったのが日本レーザーだった。ここなら自分の意見を通してもらえる、社長面接の際に谷口さんはそう確信した。「社長が『君のやりたいことは分かった』と言って入社後のフローを面接で説明してくださいました。前職との圧倒的な違いに驚きましたよ」。実際、入社してすぐに海外で5週間研修を受け、ドイツの企業の担当になったという。「社長にこれだけ意見が通しやすい環境は日本レーザーしかないと思いますね」。自己実現に最も近い環境の中で、谷口さんは今日も活躍を続ける。
  • やりがい
    思ったことが思ったようにできる環境
    思ったことを思ったようにできる環境、日本レーザーをそう表現する谷口さん。谷口さんはそこにこそやりがいを感じる。商品の値引きを申請なしに上司への電話一本でできることや、販促の案が思い浮かんだら口頭の相談1つで実行に移せるなど、谷口さんは日々の業務で強く実感している。「弊社はとにかく意見が活発に飛び交うんです。役職一切関係なくですね。個人がこうした方が良いと思うことが積み重なって、より良い日本レーザーになっているんだと思います」。そう明るく語る谷口さん。そして何よりこの環境は面接の際感じた同社のフラットな環境に根付いていると谷口さんは考える。「弊社には今週の気づきという制度があって、毎週バンバン社長に意見が通せる仕組みがあるんです。しかもその意見が必ずどこかに反映される。だからこそやりたいと思ったことをすぐに言えて、それが実行に移せるんだと思いますよ」。最高の環境で今日も谷口さんは会社、自分をより良くするために業務にあたる。
  • 夢
    前例がないことをしたい
    自己実現のために最高の環境が整っているからこそ、谷口さんは自己の価値を最大限に発揮したいと考えている。「私はこの会社で前例がないことをしたいんです」。そう熱く語る谷口さん。「営業の面では販売台数の記録を作りたい。今は年間10台くらいのペースで販売しているんですけど、あと3年で倍にしたいですね。これは弊社に前例がありません。あと社内のことで言えば国内と国外の橋渡しをスムーズにする制度を作りたいです。国外メーカーとのやり取りに困っている人もいるので。国外の人に日本語の微妙なニュアンスの差異を伝えるのは難しいんです。ですが、そこがきっちりと伝わるようになれば弊社の販売実績はより伸びると考えています」。止め処なく夢を語る谷口さん。社員が会社に対しこれだけ夢を持てるのも同社の自己実現のための環境作りのなせる業だろう。そして日本レーザーは社員に最高の環境を与え続け、今後も輝き続けるだろう。
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海外メーカーも視察に訪れる
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受付にはクレドが打ち出されている
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社内教育に関する全社員会議を開催

社員の感じる「人を見た経営」に迫る

-谷口さんの業務で意識していることを教えてください
うちは商社なので商権がなくなるのが痛いんです。ある商品の売れ行きが良いと、メーカーがその商品の現地法人を立ち上げることもありますし。弊社の更なる発展を考えると、メーカーに日本レーザーしか発揮できない価値を発揮し続けなくてはいけないと考えています。売るだけではダメで、メーカーが求める情報をしっかりと出す。商品ありきで売るのではなく市況の変化や業界の動向に敏感にアンテナを張って、「日本レーザーからの情報をもとに商品を買ったからうまくいっている」と思ってもらえるようにしないといけませんよね。なのでただの物売りではなく業界のスペシャリストとして営業にあたることを常に意識していますね。
―谷口さんの仕事のモチベーションについて教えてください
やればやっただけ返ってくると実感ができるので特にモチベーション管理はしてませんよ。例えば、弊社は社員全員が自社の株を持っています。なので自社の業績に敏感になるし、業績をより良くすれば自分の持っている株式の値段が上がりますから、より頑張ろうと思いやすいです。あとはTOEICの点数が何点以上で月何万円、手当がプラスされるという制度もありますね。モチベーションを維持するうえで自分の頑張りが数字で見えるのは大きいのかなと思います。あとは社内の事例ですね。年齢に関係なく成果次第でいくらでも上に行けます。こういった社内の制度と環境のおかげでモチベーション管理せずともモチベーションを維持できますね。
―日本レーザーならではと思うところはありますか
社風や制度についていろいろとお話させていただきましたが、単体で見れば、正直、日本レーザーならではということはないと思うんです。でもそれらがしっかりと連動して、弊社の代表が実行している「人を見た経営」に対して社員全員が成果と実感を伴えている。そこが日本レーザーならではであると思います。弊社の代表が「人、もの、金、情報が近年のビジネスの大きな要素と言われているがものも金も情報も動かすのは人だ。だから私は人を見た経営をし続ける」とよく口にしているのですが、日ごろの業務で常にそれを実感できるんです。なので「この制度が」とか、「こういう社風が」というわけではなく、その全てが機能しているところが日本レーザーならではだと思いますね。
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■監修企業からのコメント

株式会社日本レーザー 代表取締役 近藤 宜之

噴出し左
今回取材させていただいた日本レーザー様は、レーザー機器、光学機器の商社として、数々の賞を受賞した実績を持っています。今回、日本レーザー様の取材から感じたのは、社内の意志統一レベルの高さです。近藤社長と社員様がの双方が、会社の強みや、目指す方向性について、高いレベルで考え方を共有している点に感銘を受けました。
■掲載企業コメント

株式会社日本レーザー 代表取締役 近藤 宜之

噴出し右
取材を終えた感想
これまで、多くの賞を頂くことができたのは決して自分だけの力ではなく、社員がいたからにほかなりません。まだまだ、成長の余地は多く残していますので、これからも「人を見た経営」、「人を大切にする経営」という軸をぶらさずに、前に進んでいきたいと思います。
株式会社日本レーザー
代表取締役 近藤 宜之
1968年4月 個人株主10名でレーザーの輸入販売商社として
       資本金500万円をもって設立
1971年4月 日本電子株式会社の100%出資子会社へ
1977年4月 大阪営業所(現大阪支店)を開設
1983年4月 コムテックトレーディング(株)と合併、新資本金3000万円
1989年4月 日本電子(株)と共同で、日本電子ライオソニック(株)を設立
1995年7月 本社を新宿区西早稲田に移転
2007年6月 JLCホールディングス株式会社(略称JLCHD)を設立
       (JLCHD株主構成:日本電子14.9%、
       役員持株会53.1%、社員持株会32.0%)
2007年7月 JLCホールディングス株式会社の100%子会社化
2011年  第1回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞、
      中小企業庁長官賞受賞
2012年  平成23年度新宿区「優良企業表彰」、大賞(新宿区長賞)受賞
      第10回東京商工会議所「勇気ある経営」大賞、大賞受賞
2013年  関東経済産業局 「女性活用ベストプラクティス」に選定
      経済産業省 「ダイバーシティ経営企業100選」
      全国43社に入選、受賞
      経済産業省 「おもてなし経営企業選」全国50社に入選、受賞
      東京都 「平成25年度東京ワークライフバランス認定企業 -
      多様な勤務形態導入部門」に選定
      経済産業省 「がんばる中小企業・小規模事業者300社」に選定
創業年(設立年) 1968年
事業内容 レーザー・光学商品輸入販売
自社品開発販売
所在地 東京都新宿区西早稲田2-14-1
資本金 3,000万円
従業員数 58名
企業URL http://www.japanlaser.co.jp/
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