DENTOU TIMES

株式会社丸杉 代表取締役社長 杉浦正臣 

いつまでも、「丸杉があるから安心だ」
と 言われる会社でありたい

株式会社丸杉 代表取締役社長 杉浦正臣 

丸杉は、横浜市中央卸売市場にある青果の仲卸だ。仲卸とは、卸売会社が市場に卸した商品を仕入れ、百貨店やスーパー、八百屋の注文に従って仕分ける仕事である。横浜市中央卸売市場には青果部門だけで約30の仲卸があり、そこから神奈川をはじめ日本各地に青果が発送されている。丸杉は、1968年に創業し、1973年に青果の仲卸の認可を受けてから、現在に至るまで40年以上、確かな目利きでお客様にあった安全な商品を届け「食の安全」を守り続けてきた。一方、市場内に同業他社がひしめく環境下で丸杉の色を確立すべく、丸杉は変化を起こしてきた。その一つが仕入れ先を増やすことである。神奈川の地元農家からの直接の仕入れにも取り組んでおり、地元から仕入れた商品を「LocaVege」と銘打ち、地元産品をアピールしている。今回の取材では丸杉と市場を知り尽くした、杉浦社長にお話を伺った。

伝統の継承と、未来への挑戦を可能にする革新企業の本質
  • 社風
    家族的な仲の良さとライバル関係
    アットホームな会社を指向している丸杉。社員全員で作った社是の中に「社員とその家族、関係する全ての人々を幸せにします」という文言がある通り、社員を幸せにするために、社員がチャレンジできる会社、社員が自慢できる会社、社員が未来を託せる会社を目指している。社員同士の中が良く、仕事が終わった後に、社員皆でサーフィンやスキーに行ったり相撲を観戦しに行ったりと、レクリエーションを通じて、社内の交流が行われている。
    仕事面では社員のチャレンジを重視。800種類以上の取り扱い品目を社員に割り振って責任を明確にすると同時に、売り方を担当に一任し、営業担当一人ひとりを競争させる仕組みを作った。その結果、一人ひとりの営業担当が「どうしたら売上が上がるか」を本気で考えるようになり、担当同士が切磋琢磨しあうことで売上を増加させた。仲は良い、しかしライバルであるという関係が、会社の成長を支えている。
  • 独自性
    品目数は800以上!
    丸杉は800種類以上の品目を取り扱っており、取扱品目数の多さが丸杉の独自性である。
    中央卸売市場には約30の仲卸業者が存在しており、そのうちの半数は、市場内の二つの卸売会社だけから仕入を行っている。一方、丸杉は、中央市場の他、横浜以外の市場・商社からの仕入れや、農家からの直接買い付けを行うことで取扱品目数を増やし、現在の取扱品目数は中央卸売市場の仲卸業者の中でもトップクラスである。
    一般に、仕入れ先を増やすことは、運送費の増大、管理の煩雑化につながるため敬遠されているが、丸杉では、敢えて仕入れ先を増やし、品揃えを充実させることで、質と価格の両面でお客様のニーズに応えられる体制を作った。その結果、丸杉にしか置いていないPB(プライベートブランド)を作ることに成功し、お客様からも「丸杉もある」から「丸杉しかない」と言われるまでに、立場を高めることができた。
  • 展望
    まず、丸杉が変わる
    「市場をもっと魅力的な場所にしていきたい、そのためにまず、丸杉が変わる」と杉浦社長は語る。
    現在の市場は地域の人たちに開かれているとは言えず、どこか内輪でまとまってしまっている。市場には変化が必要なのである。市場には十分な人と場所があり、大きく変化できる可能性を秘めている。例えば、市場を綺麗にし、見学ルートを整備すれば、地元の小学生や中学生を招いての市場見学会ができる。高校や大学と連携し、就職のため集団面接会を行うこともできる。さらに、市場に届いた青果を使った料理を出すレストランを作ったり、今の建物を建て替えて市場の上に商業施設を入れることもできる。
    これらのビジョンはどれも実現可能だが、市場には「市場は変わらない、変わる必要はない」と考えている人もいる。丸杉は周囲を本気にできる存在になるために、先陣を切って会社に変化を起こしており、その一環として、新卒採用を通じて会社の地力を高めることに取り組んでいる。
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仕入れた野菜を仕分ける様子
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開港祭に屋台を出店
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開港祭で提供したバーニャカウダ

丸杉が変えていくものとこれからも変わらないもの

―市場を変えていきたいと思うようになったのはなぜですか
市場はもともと横浜市が所有していて、仲卸業者に許可を出しているのも横浜市です。守られている環境下で新規参入がないため、どうしても閉鎖的になってしまっています。結果として、市場の近く、場外で商売している人達から見ると、「市場は10年遅れている」と言われてしまうのが現状です。それを若い人が集まる魅力的な市場にしていくためには、新しい技術を取り入れて効率化を図ることと、労働環境を改善すること必要があると強く感じたのがきっかけです。
口だけになってはいけないので、まずは自分達から変わろうと思っています。クリーンでオープンな会社にするために、組織化と頑張りが反映される仕組みが必要だと考え、就業規則から賃金規程まで作り直しました。さらに、丸杉の一員であるという意識を高めてもらうために、社員全員に意見を聞き、経営理念と社是も作りました。
―色々な変化を起こしていく中で「これだけは変わらない」というものは何ですか
社内のアットホームさと上物師であることです。どれだけ組織作りに力を入れて、色々と社内の制度を整えても、やはりその中には家族的な雰囲気を残していきたいと考えています。やはりアットホームさこそ丸杉らしさだと思いますので。そして、扱う品物の面で言うと、一番のモットーは上物師であり続けるということです。上物師というのは、品物の中でも上物、つまり質の良いものを扱う会社であるということです。単に価格が高い品物を扱うというわけではなく、自分たちが自信を持ってお客様に提供できる商品を取り扱うことで、お客様からも「丸杉の商品は質がいいから、あそこに行けば安心だ」と言ってもらえる会社であり続けたいと考えています。経営理念に「私たちは青果物を通じて健康と感動を提供し食文化に貢献します」という言葉を掲げていますし、ずっと守っていきたいです。
―新卒に期待することは何ですか
目標を持って入ってきてほしいです。当社は、自分がやりたいことが通りやすい会社だと思います。だから、会社を自分がこういう風に変えていきたいという意見をどんどん上げてきてほしいですね。機械のように言われたことをやって、商品を右から左に流すことは求めていません。そして、社内に新しい風を入れてくれることを期待します。新しい人達には大学で得た知識があります。その知識をベースとして市場の既存の人たちの経験から学んでもらいたい。そして今いる社員は、大卒の人たちの経験から学んでもらいたいと思っています。お互いの経験が交わることで、これまでの丸杉の良いところを生かしながら、新しいことができるんじゃないかなと思います。

KEYPERSON

株式会社丸杉 代表取締役社長 杉浦正臣 

野菜を極め、
お客様に安心をお届けする

株式会社丸杉 高橋弘司

丸杉では、11人の青果のプロが800種類以上の商品を分担して担当し、仕入れと販売を行っている。そして、それぞれの営業担当の下に一人ずつ配送担当が付き、お客様まで品物を届けている。丸杉に入社したスタッフは、まず配送担当として品物に対する知識を付けたあと、営業担当や配送管理担当として活躍できる仕組みになっている。
今回お話を伺ったのは、入社1年目の高橋さん。菌茸類(きのこ類)の配送担当だ。入社当時は、新しい環境や、覚えることの多さに苦労したという高橋さんだが、野菜を極めるという思いのもと、1年間現場で経験を積み、今では丸杉の一員としてお客様との関係作りに積極的に取り組んでいる。
今回は入社から現在までについてを振り返りながら、率直なお話を聞かせて頂いた。

伝統の継承と挑戦の未来を担う社員の思い
  • 入社理由
    人の温かさが決め手
    高橋さんは丸杉に入社する前、地元横浜のスーパーでアルバイトとして野菜の品出しを担当していた。アルバイトをする前は市場で働くとは夢にも思わなかったそうだが、野菜の品出しを担当し、お客様と交流していく中で、「野菜に深く関わりたい」、「もっと知識を付けて、お客様に美味しい野菜を提供したい」という思いが生まれ、野菜に関わる仕事に関心を持つきっかけになった。そして、野菜を目利きし仕分けるプロがいる市場に、関心を持つようになったという。丸杉に出会う前は、市場には怖い人が多そうという印象を持っていたという高橋さん。しかし、選考を通じて丸杉の社長、専務、総務部長と会い、市場を見学したり、面接で話していくうちに、丸杉のアットホームさと働く人の優しさを感じ、入社を決めたという。
  • やりがい
    知識を増やし、段取り通りに配送する
    お客様をお待たせせず、計画通りに配送ができたときが一番のやりがいだという高橋さん。
    配送の仕事は、時間との戦いである。営業担当が仕入れた商品をそれぞれのお客様の要望に沿って仕分け、市場内の受け渡し場所に完璧に届けるという仕事を時間通りに行うためには、綿密な計画と、取扱い品目に対する豊富な知識、そしてイレギュラーに対応できる柔軟性が必要だ。
    百戦錬磨のプロフェッショナルが揃う丸杉でも、当日の注文を完璧に予測することは難しく、商品が不足してしまうこともある。そのときは配送担当が品物を調達し、配送時間に間に合うように段取りを変えて対応する必要があるのだ。
    入社したての頃は、お客様がいつも注文する商品を覚えることが大変だったそうだが、一年間現場で経験を積むことで、知識が増え、今では自分で決めた段取りでスムーズな配送が出来るようになってきたため仕事が面白いと高橋さんは教えてくれた。
  • 夢
    野菜を極め、お客様に良いものを直接届ける
    高橋さんの夢、それは、市場で培った野菜に対する知識、商売に対する知識を活かして、小売の仕事をすることである。スーパーの仕事を通じて、お客様とやり取りする仕事の面白さを感じていた高橋さん。気心知れたお客様におすすめの商品を提案し、よりおいしい野菜を召し上がっていただける仕事が理想だという。
    今は、販売の仕事をするという夢を叶えるために、担当している菌茸類はもちろん、野菜に対する知識を極めること、そして、日々の仕事を通じて自分自身の力を高めることを目指している。仕事の中では、話す機会の少ないお客様に顔を覚えてもらうため、短時間でもコミュニケーションを取ったり、先輩営業担当のコミュニケーション術を真似て、お客様と話したりするなど、目の前のお客様一人ひとりとの信頼関係を大切にしながら、日々、自身の力を磨いている。
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実は優しい社員の皆様
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事務所は市場内にあります
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仕事後のバーベキュー大会

1年目社員に聞いた、入社からの一年間。

―高橋さんの現在の仕事の面白みを教えて下さい
今は菌茸類の配送を担当しています。一緒に働かせてもらっている営業担当の方は市場で30年以上のご経験のある方なんですが、品物の目利き力が抜群で、毎日勉強させてもらっています。
取り扱っている菌茸類は20品目ほどあり、それぞれの複数の生産地があります。お客様の注文に合わせて、品物を仕入れるだけなら簡単ですが、同じ等級でもより良い品物、美味しい品物を確保するためには、目利きの力が必要です。
スーパーで野菜の品出しをしていた時は気づきませんでしたが、同じ等級、同じ産地であっても生産者によって見た目が違ったり、見るからに肉厚でおいしそうな品物があるんです。どの生産者さんの品物が良いかという情報を一つ一つ学んで、知識を付けていくのは面白いですね。
―入社してから大変だったことは何ですか?それをどうやって乗り越えましたか?
入社した当初とまどったのは市場の仕事時間でした。市場は、夜から仕事が始まって、午前9時や10時に仕事が終わります。寝るのは大体は昼間の2時3時なのですが、初めは寝ることができませんでした。それを乗り越えられたのは、体が慣れてきたこともありますが、それ以上に好きなことを続けたいという意志があったからです。自分は野菜に関わるこの仕事が好きですし、仕事を通じて自分を高めていきたいと思っているので、体力的に苦しいときでも、目標のために頑張ることができました。大きな支えになったのは、社員の皆さんからのサポートです。皆さんが自分を気にしてくれて、声をかけてくれたり、手助けしてくれました。見た目は怖そうな人が多いですが、実は皆さん優しいんです。
―これから積極的に取り組んでいきたいことについて教えてください
社内の人と話す時間を増やしたいですね。仕事中の大半の時間は部署にいますが、他の部署とは離れているので仕事が終わって事務所に戻った後に話を聞いています。特に、お客様と信頼関係を作るコツや、売場でどのようにお客様とコミュニケーションをとっているのかに関心があるので、営業担当の方にはもっと積極的に話を聞きに行きたいです。
あとは、会社としての信頼を高めるために、お客様の情報をもっと共有したいです。今、他部署とは取引していても、自分の部署とは取引がないお客様もいらっしゃいます。お客様の情報を共有して、担当以外の社員がお客様と会話したりご提案することができれば、お客様も増えますし、今以上にお客様を大切にすることができると思います。
■監修企業からのコメント

株式会社丸杉 代表取締役社長 杉浦正臣 

噴出し左
今回取材させて頂いた丸杉さんは、会社に新しい風を入れるため、2015年から新卒採用を行っています。横浜中央卸売市場にはいくつも仲卸の会社がありますが、新卒採用を行っている会社はほとんどありません。今まさに、変化するタイミングを迎えています。これから入社する方は、経営陣とともに会社を変えていく、刺激的な場面に立ち会えることは間違いありません。
株式会社丸杉
代表取締役社長 杉浦正臣 
1968年 有限会社杉浦青果設立
1973年 仲卸制度発足
1978年 有限会社丸杉に社名変更
1989年 横浜卸売市場本場改築
2008年 株式会社丸杉に社名変更
設立 1968年
事業内容 青果物・食料品全般における卸売業
所在地 横浜市神奈川区山内町2番地
資本金 500万円
従業員数 43名
会社URL http://marusugi-vt.com/
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